仕事に没頭していても、悩んでいても時は平等に過ぎ去る。
2024年の夏期講習会はもう目前に迫っていた。
今年、一般生の中で私の学習塾の夏期講習会に申し込んでくれたのは小・中・高校生合わせて18名。
昨年の夏期講習会の一般生の人数が30名だったので、昨年比40%減と大幅な減収だ。
他県にある大手進学塾「清洲予備校」が近郊に進出すると話題になってからの申込はゼロ。
逆に13名ものキャンセルが出て18名まで減ってしまった。
清洲予備校の進出がなければ順調に申込は伸びて今頃は40名を軽く突破していたことだろう。
腹立たしさや悔しさが込み上げてくるが、それに飲み込まれてしまえば最悪な悪循環に陥ってしまうと、顧問税理士の天海さんからアドバイスを受けていた。
この流れが一般生だけでなく塾生の退塾、転塾に派生し、しまいには学生アルバイト講師すらも移籍していくというのだ。
そんな状況だけは絶対に阻止しなければいけない。
今はあちらの話題性と夏期講習会無料効果によって一時的に逆風になっているだけだ。
実績を積み上げ、信頼を得てきたのだからここはグッとこらえて辛抱強く取り組むしかない。
そうわかってはいるのだが、気がつくとまた迷いと怒りの中をさまよっている自分がいた。
天海さんからは、「昨年の入会数を超える目標を立ててみてはどうか」と言われている。
そうだ、ここは気持ちを切り替えて、せっかく来てくれる一般生の期待に応えなければならない。
そのための準備にこそ時間と精神を割かなければならないはずだ。
昨年の一般生の数は30名で、その中から入塾を決めて2学期から塾生になったのは9名。
入会率は30%。
今年は分母が少なく一般生は18名だが、入会率50%を超えれば入塾数は昨年比プラスとなる。
挽回はまだまだ可能な状態なのだ。
だが、新学期が始まりまだ数ヶ月しか経過していないこの時期の入会は簡単な話ではない。
頼りは部活を引退して本格的に受験勉強を始める中学3年生。
中学3年生の一般生の数は8名なので、ここの入会率が全体の成功を決めることになるだろう。
昨年以上に夏期講習会を成功させるためには何が必要なのだろうか?
昨年だって全力を尽くして最大限のサービスを行った。
それを上回ることなどできるのだろうか?
そもそも何をするのが効果的なのだろうか?
そう考えているうちに天海さんが以前話していたことを思い出した。
アメリカの実業家でデルの創設者マイケル・ソール・デル氏の言葉だ。
『私たちの成功の基礎となったのは、
顧客が提供してくれた
アイディアやフィードバック』
フィードバック・・・・・・
昨年の夏期講習会最後に生徒と保護者向けにアンケートをとったはずだ。
その時は入会意志がまだ少しでもあるのかどうかの確認程度にしか利用していなかったが、もっとしっかり読めば何かヒントがあるかもしれない。
顧客に感動を与えられるようなサービスには、期待以上の質のサービスを提供することが必要不可欠だ。
期待外れだった部分はなかったのかどうか、
期待以上のサービスを提供できていた点は
どんな内容なのか、
それは顧客の生の声を聞くしかない。
それにはアンケートの内容の振り返りが効果的である。
そういえば夏期講習会前の一般生三者面談時にもいろいろな話を聞いてメモしていた。
保護者がこの夏期講習会を通じてどう変わってほしいのか、生徒自身がどうなりたいのか、その点をしっかり確認して対応できる準備をしておくことが期待以上のサービスを提供することに繋がるのではないだろうか。