※これは独立したての経営者であるマモルと先輩経営者のショウの物語です。
ショウ「雇用の件は落ち着いてきたようだね」
マモル「ええ。希望者と面接をするのも初めての経験だったんで、最初は戸惑いましたけど、慣れていくと、自然と相手の話しを聞くことができるようになりました。先輩からアドバイスいただいた通り、貴重な意見や情報もたくさん聞けましたね。とても有意義でした」
ショウ「それで、正式に決まったのか?」
マモル「はい。男性2人、女性1人の合計3人が、僕の会社で働くことになりました」
ショウ「へー。どんな人たちなのか興味があるな」
マモル「男性のひとりは、47歳でシステムエンジニアの経験もあって、業務改善コンサル歴17年のベテランです。僕よりかなり年配で、経験も豊富ですね」
ショウ「俺より年上じゃないか。マモルは業務改善コンサルティングへの進出が狙いだったわけだから、ビンゴだろ。よく見つかったなー」
マモル「そうなんです。もうひとりの男性は、逆に若手で27歳です。IT関連にも知識がありますので、業務改善のソフトウェアといったITシステム導入促進にも貢献してくれそうです」
ショウ「じゃあ女性も業務改善の経験者?」
マモル「経験はありません。IT系の企業に勤めていた経験はある女性で、うちでは事務員として働いてもらうことになりました」
ショウ「なかなかの布陣じゃないか。これはこの先が楽しみだな」
マモル「47歳の年配の方は、名前が橋本さんというんですが…… かなり人脈を持っているようですので、すぐにマーケットの開拓ができそうです。若い杉山くんも速く動きたいと意欲的です」
ショウ「積極的な人が多いな。なんだか俺もワクワクしてきちゃったわ。まさかマモルからこんな刺激を受けることになるとは思っていなかったよ」
マモル「僕もドキドキですね。こういった気持ちになれたのって、先輩に勧められて独立を決心した時以来ですね。あの時いただいた言葉を思い出せたので、一歩踏み出す勇気が持てました」
ショウ「あの時の言葉…… あー、俺、なんて言ったっけ?」
マモル「ほら、ドイツの哲学者で、フリードリヒ・ヴィルヘルム、えーと」
ショウ「ああ、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ氏のことか。より高めを目指せって話だな」
マモル「そうです。ニーチェ氏です。ポイントは覚えているんですけど、長かったんで、ところどころ忘れている部分もあるんですよね。先輩、もう一度聞かせてもらってもいいですか?」
ショウ「まったく、先輩からの贈る言葉を忘れるなよ」
マモル「スミマセン」
ショウ「ニーチェ氏は、『どこから来たかではなく、どこへ行くかが、最も重要で価値のあることだ。栄誉はその点から与えられる。どんな将来を目指しているのか。今を越えて、どこまで高く行こうとするのか。どの道を切り拓き、何を創造していこうとするのか。過去にしがみつたり、下にいる人間と見比べて自分をほめたりするな。夢を楽しそうに語るだけで何もしなかったり、そこそこの現状に満足してとどまったりするな。絶えず進め。より遠くへ。より高みを目指せ』と述べている」
マモル「ありがとうございます! どこから来たかではなく、どこへ行くのかが最も重要で価値のあることなんですよね。このメンバーで、自分独りでは目指すことのできなかったところを目指していきます」
ショウ「ここからがマモルにとって本当のスタートかもしれないな。絶えず進め! あと、先輩からのメッセージを忘れるな!」
マモル「はい。毎日、朝鏡に映る自分を見ながら、この言葉を声に出すことを日課にします!」
ショウ「ルーティンにするのはいいけど、アファメーションにしては長すぎだぞ」
マモル「…… そうですね。要約して大事だと感じる部分だけにしておきます」