※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
ショウ「マモルからディナーの招待を受けるとは珍しいな。フルコースだろ? 本当に御馳走になっていいのか?」
マモル「はい。今日は先輩に改めてお礼をしたくて、ご招待させていただきました」
ショウ「マモルの会社の従業員が結婚した件か?」
マモル「ええ、もちろんそれもあります。先輩からアドバイスをいくつもいただいたおかげですからね。ただ、それだけじゃないですよ。実は客足が以前の状態に戻ってきまして、月の売り上げも最高値を記録したんです。手強い競合が登場した際にはネガティブになった時もありましたが、先輩の言葉を聞いて気持ちを切り替えて励むことができたからこそです」
ショウ「顧客が少しずつ戻ってきたとは聞いていたが、もうそこまで……、しかしここで最高売り上げとは驚異的な回復力と成長だな」
マモル「少人数だと、できることには限りがありますから、やはり効率的にアウトソーサーを利用できたことが売り上げの大幅アップに繋がりましたね。外部に委託することで、時間的な余裕も作れましたし、自分たちの長所を発揮できる部分に特化することができました」
ショウ「なるほど、先行投資が成果の要因ってわけだ」
マモル「自分たちだけですべてやろうとしていたら、オーバーワークになっていたことは間違いないでしょうし、パフォーマンスも当然のように発揮できていなかったでしょう。アウトソーサーを有効利用できたからこそ、自分たちの役割分担も明確にできたと思いますね。おかげで僕も経営者としてやるべきことに全力を注ぐことができました」
ショウ「そうだな。やっぱりマモルが経営者として真っ先に取り組むべきことに、時間と労力を費やすことができたことが大きいな。そして、マモルがポジティブな心理状態で先頭に立ち、従業員の育成に向き合ったことで、とても良い影響を与えることができていたんじゃないか」
マモル「戸惑ってばかりでしたが、その都度、先輩や顧問税理士さんからアドバイスをいただけたので、勇気をもって踏み出せました。本当に感謝です。ありがとうございます!」
ショウ「そうやって感謝の気持ちを素直に相手に伝えられるところが、マモルの成長の原動力だろう。そうすることで、相手は自分の価値観を再認識してポジティブになれるし、信頼関係が高まるからマモルもさらにポジティブになれる。好循環だな」
マモル「人に恵まれているとつくづく思います。まずそのことに感謝したいですね」
ショウ「マモルとこうして話をしていると、黄熱病の研究で知られる細菌学者の野口英世氏の言葉を思い出したよ。彼はこう述べている
『家が貧しくても、体が不自由でも、
決して失望してはいけない。
人の一生の幸も災いも、自分から作るもの。
周りの人間も、周りの状況も、
自分から作り出した影と知るべきである』とね」
マモル「周りの人間も、周りの状況も、自分が作り出した影…… ですか」
ショウ「良いことも、良くないことも、すべては自分が源泉ということだな。そう考えれば、運も不運も神頼みではなく、自分の努力や取り組むべき姿勢で何とかなることになる。他人を変えようとするのは困難だが、自分は変えられる。マモルのように、まずは自分が率先してポジティブを発信できるようになることが大切だよ」
マモル「ということは、会社の売り上げが落ち込んでも、従業員や競合相手、ましてやお客様のせいにしていても何も変わらないということですね。今後、周囲にさらに良い影響が与えられるよう肝に銘じます」