※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
マモル「先輩、今日は夕食にお誘いいただいて、ありがとうございます。ここにこんなフランス料理のお店があったんですね。今まで、まったく気づきませんでした」
ショウ「それはそうだろ。この店は昨日、開店したばかりだからな。以前のこの場所は駐車場だよ」
マモル「ああ、そういわれてみたらそうですね。さすが先輩、めざといなー」
ショウ「あたりまえだろ、この店のオーナーは、うちのクライアントだぞ」
マモル「じゃあ、このお店の開業を支援されているんですか?」
ショウ「そうだ。開業するまでは、一悶着も二悶着もあったがな。よく開業にたどり着いたもんだとコンサルタントの俺も感動してさ、昨日、今日と連チャンでフレンチのフルコースだよ」
マモル「なるほど。昨日も来られていたんですね…… オーナーはもともと料理業界にお勤めだったんですか?」
ショウ「いや、料理や飲食店とはまったく畑違いの不動産業で働いていた人だ。それもあって困難の連続だったな」
マモル「思い切ったチャレンジですね。でも、味は本当に美味しいですよ。このお店のおしゃれで落ち着いた雰囲気と、この味だったら、口コミで一気に評判が広まりそうですね」
ショウ「オーナーも奥さんはインテリア関連で働いている人だから、やはりそのあたりのセンスは凄いよ。オーナーももともとフレンチにとても興味がある人で、都内はもとより、近郊の美味しいというフレンチの店はすべて食べに行ってる。15年でのべ1000回はフレンチのフルコースを食べているそうだ」
マモル「そうやって夢中で食べていくうちに、自分でもフレンチのお店を開業したくなったということですか?」
ショウ「単なる興味だけだとここまでには至らないだろう。この店のオーナーの凄いところは、その興味をさらに深めるための努力をしてきたことだ。実際にフレンチの料理教室に通い、関連書籍を読み、本場フランスまで何度も旅行に行っている。興味は深めることで情熱になる。これで生きていこうというほどの情熱だよ」
マモル「情熱ですか…… 本当に自分のやりたいことをみつけられた人の発するパワーですね。他者の制約を受けて、命令や指示されて働いている間はそういったパワーは湧いてきませんからね」
ショウ「アップル社の共同設立者のひとりであるスティーブ・ジョブズ氏は、こんな話をされていた。
『新しいことを始めるときに
一番大切なことは、
それを成し遂げたいという情熱です』
とね。そしてジョブズ氏は情熱で困難を乗り越えて、成功を掴んだんだ」
マモル「子供の頃には存在もしなかったiPhoneやiPadが、今やビジネスシーンでもプライベートでも手放せない必需品ですからね。情熱は新時代を切り拓く原動力でもありますね」
ショウ「上田は人間関係にビクビクしながらも、今の自分をアップデートしたがっているんだろ。上田にはこの仕事にかける情熱は間違いなくある。俺はこの店の開業を手伝っていて、上田ほどの情熱があれば、新しい一歩を踏み出せると改めて確信したよ」
マモル「上田さんは会議の場で、新しいプロジェクトのリーダーになること、何を目指して取り組んでいくのかを宣言しました。かなりの迫力でしたよ。杉山なんてその迫力に押されて開いた口が塞がない状態でしたからね」
ショウ「そうか、みんなの前で立派に主張したか。いや、さすがマモルだよ。マモルのサポートがなければ、その一歩は踏み出せていないだろう」
マモル「先輩のおっしゃる通り、これは上田さんに情熱があったからこそです」