※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
ショウ「最近はオンライン飲み会っていうのも流行だそうだが、こうしてパソコンの画面を通してマモルと乾杯しても臨場感には欠けるな。まあ、それでも独りで家飲みするよりかはましか」
マモル「そうですね。しかし、TV会議並に大勢が集まってオンライン飲み会してるって話もよく聞きますよ」
ショウ「大勢ってどのくらいだ?」
マモル「この前、僕が参加したオンライン飲み会の集まりには、参加している人数が100人超えていました。ビックリしましたよ。チャットに流れる会話が速すぎてついていけないほどでしたからね。ただ、日ごろは出会えないような職種の方とも知り合える機会になりますので、有意義でした。どこから参加して、どこで抜けても差し障りがないっていう点も便利ですね」
ショウ「なるほど。視点を変えてみると、そういったビジネスチャンスもあるわけか」
マモル「ただ、悲壮感漂う話題も多かったです。見通しがたたないことに苛立っている声もいくつもありましたし、国の対応の遅さに不満を漏らしている方も多かったです」
ショウ「どこも抱えている悩みは同じか…… だが、思いを共有することで少しは気持ちも晴れるのかもしれないな。今度そんな企画があったらぜひ俺にも教えてくれよ」
マモル「先輩も参加されるんですか?」
ショウ「ちょっと興味はあるな。いろいろな人の話を聞けるのは自分のためになる。今後の活動のヒントになるかもしれないだろう」
マモル「そうですね。逆に先輩のアドバイスで救われる方々も多くいるんじゃないでしょうか。前回は起業に二度失敗して、今回ダメになったら三度目ということで嘆いている方がいました。さすがに僕もどう声をかけていいのかわからず、困ってしまいましたよ。先輩ならこういうときにどんな話をされますか? もう経営者に向いていないから諦めた方がいいと伝えるべきなんでしょうか」
ショウ「生きていればチャンスはあるさ。前回も言ったろう、諦めなければ終わりじゃないって」
マモル「そうなんですが、ここまで失敗や挫折を繰り返していると、なかなかそう楽観的な言葉もかけられなくて……」
ショウ「楽観的ねえ、それとはちょっと違うんだけどな。じゃあ、紀元前の共和政ローマ期の哲学者の言葉ならどうかな。ティトゥス・ルクレティウス・カルス氏だ」
マモル「舌を噛みそうな名前ですね。2000年以上昔の人の言葉ですか…… 現代のこの混迷の状況に通用しますか?」
ショウ「彼の述べた言葉に、
『雨だれが石を穿つのは、
激しく落ちるからではなく、
何度も落ちるからだ』
というものがある。困難な課題や問題であっても、何度も何度もチャレンジすること、取り組むことで、ようやく突破することができるということだ。もちろん失敗から学ぶ姿勢があってこそだぞ。これは成果を出すためには絶対に必要なことじゃないのか」
マモル「何度も落ちるから石を穿つことができるのか…… さすが後世に名を残す哲学者の言葉ですね。そうか、2000年経っても、人間にとって大切にしなければならないことは同じなんだ」
ショウ「そういった経験やノウハウを他の人にも伝えていくのが、俺たちコンサルの仕事だな。そうすれば失敗は最小限に抑えることはできる。事前に予防できることもあるだろう。そして起業家の努力を最大限の成果に繋げていくことができる。だからこそ、的確なサポートをしてくれるような外部の協力を得ていくことも、とても大切なことだというアドバイスはした方がいいだろうな」