※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
マモル「すみません先輩、今晩のオンライン飲み会の時間変更していただいて」
ショウ「いや構わないよ。仕事だろ。何か新しい依頼でも入ったのか?」
マモル「だとよかったのですが、顧問税理士さんと冬のボーナスの件での話が長引いてしまって、お待たせしてしまいました」
ショウ「冬のボーナスを支給するかどうかで悩んでいるのか? 先日、小企業や零細企業の関係者400人へのアンケート結果が、フリーウェイジャパンから発表されていたが、36.2%が支給されないと答えたそうだ。コロナ禍による業績不振、経営悪化が大きな要因のようだな」
マモル「僕の会社はまったく支給しないというわけではないんですが、昨年に比較すると大幅減です。東証一部上場企業の平均とされている35万円にはほど遠い支給額です。杉山にも木梨さんにも申し訳ない気持ちでいっぱいですね。経営者として、自分自身がふがいないですよ」
ショウ「この2020年に関しては仕方がない、と言ってしまえば身も蓋もないが、こればかりは従業員も覚悟していることだろう。経営者として責任を感じているのも、ショックなのも理解はできるが、気持ちを切り替えていくしかないだろうな」
マモル「しかし、来年もコロナ禍の影響は続くかもしれませんよね。そうしたら、もしかすると今年以上に厳しい経営状態に陥るかもしれません。ボーナスどころかリストラすら検討しなければならない事態になったらと思うと、なんだか最近は夜も眠れなくて……」
ショウ「かなりネガティブな発想になっているな。リスクを想定することは必要なことだが、極端なネガティブ思考も問題だ。そうなると力が充分に発揮できなくなるぞ。ネガティブな気持ちで臨むと、できることもできなくなる。自信を取り戻すことは難しくても、自分を鼓舞し、励ますことは忘れてはいけないぞ」
マモル「鼓舞ですか。そうですね。先ほど顧問税理士さんにも同じような指摘を受けました。アファメーションによる自己暗示の重要性は、以前に先輩から教えていただいていたのに、弱気になってしまっていて、気持ちのこもっていない鼓舞になっていたのかもしれません」
ショウ「鬼滅の刃の劇場版はいよいよ興業収入が300億円に近づいているようだ。映画にはないが、主人公である竈門炭治郎が、弱気になった自分を奮い立たせるシーンはこの物語に多い。3巻24話には骨折した中、戦い続けるために自分を鼓舞した言葉が印象的だな。
『頑張れ炭治郎、頑張れ!!
俺は今までよくやってきた!!
俺は出来る奴だ!!
そして今日も!!
これからも!!
折れていても!!
俺が挫けることは絶対に無い!!』
というものだ」
マモル「ありましたね、そんなシーン。俺は出来る奴だ、か。そこまではっきりと自分を肯定した方がいいんですね」
ショウ「それだけの努力をしたという自覚もあるんだろう。自分の努力や苦労を乗り越えてきた経験は、自分自身が一番よくわかっている。だからこそ、自分が一番、自分の理解者であるべきだろうな。マモルもここまで経営者としてやってきた過去を振り返ってみれば、よくやってきたと自分自身を褒めてあげることができるだろう。自分自身の頑張りを正当に認めることで、次へ向かう意欲は湧いてくる。それが自分自身を鼓舞するということだ」
マモル「経営者としての責任だけを感じて、自分を追い込んでいたかもしれません。こんな気持ちじゃ来年に挽回なんてできませんよね。もう一度改めて自分の取り組みを振り返って、全力で自分を鼓舞してみます」