※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
マモル「いやー、例年に比べて参拝客は少ないですね。しかも感染対策で記帳もできないし、鐘も鳴らせないしと、初めての体験でしたよ。先輩は初詣にはもう行ってきたんですか?」
ショウ「ああ、地元の神社で参拝してきたよ。俺は家族と徒歩で行ったが、駐車場の車の数も例年の30%くらいだったな。時間をかけずに参拝できたのは助かったけど、やはり寂しいな」
マモル「二度目の緊急事態宣言が出るのか、出ないのか、その瀬戸際でしたからね。やはり自粛のムードは高まっています。こんな時こそ神頼みしたい人も大勢いるでしょうが、今年は見送った人も少なくなかったでしょうね」
ショウ「一都三県に緊急事態宣言が発出されたからな、改めてリモートワークにシフトしていきそうだ。昨年に一度リモートワークを取り入れて、しかし上手くいかなかったから元に戻した企業もあっただろうが、今度はそうはいきそうもないな。なにせ従業員の7割をリモートワーク出社にするようのお達しだ」
マモル「リモートワークになって若い世代は生産性が向上したという声が多く聞こえました。逆にベテランの層は戸惑っていたのと、古い慣習をリモートワークでも継続したので効果が出にくくかったということがあるみたいですね」
ショウ「リモートワークを採用して、売上や、生産性が低下したという企業にとっては、リモートワーク自体が悪だという見方もあるだろう。しかし、これから先はリモートワークの弊害になる経年層こそが悪であり、排除しなければならないという動きになるのかもしれないな。経営者にとっては判断が難しいところだろう」
ショウ「経営者がリモートワークへの理解に乏しい場合は、やはりマネジメントに問題が生じています。結果としてリモートワークの長所を殺してしまっているようです。新人などの比較的若い層が相談を出来る相手や、リフレッシュするために話をする機会が減って意欲を失っているケースも増えてきましたね。直接的に接しにくく、気軽に声もかけられない状況で、どんなマネジメントができるのかが問われています」
ショウ「仮想空間に職場を置いて、そこにアクセスすることで出社し、自分のアバターを動かして同僚や上司に話をするサービスも注目されているようだ」
マモル「それだとコミュニケーションの機会も増えますし、ストレスも感じにくく、マネジメントもしやすいですね。WEB会議も開きやすそうです。これまで考えもしなかったような、そういった職場環境を整える投資も今後の企業の発展には必要ですね」
ショウ「売上が低迷したり、組織が停滞しているときは、企業にとっては苦難の時期ではあるが、人間の厄年のようなもので、大事な節目だともいえるんじゃないか」
マモル「節目ですか。確かに問題なく売上が伸びている間は、区切りとなるような節目はありませんもんね」
ショウ「ホンダの創業者である本田宗一郎氏は、企業にも節があると述べている。
『儲かっているときはスムーズに伸びていくが、
儲からんときがひとつの節になる。
この節の時期が、大切なのだ』
とね。そこでどんな投資ができるのかで企業の未来は変わってくるだろう。本田氏は苦境の中で、世界的なオートバイレースに果敢に参戦、さらにはF1にも参戦し、ホンダのブランドを確立した」
マモル「企業にとっての節も、大きくジャンプアップするためには必要不可欠な時期だということですね。経営者には、そんな未来を信じて挑戦していくことが求められているわけか。変革すべき点は素直に受け止めて、柔軟に対応していくことも経営者には大切なんですね」