コラム



税理士がサポート!『はじめて起業ものがたり』  「起業って何から始めればいいのか 236 スカウトサービス利用の際の注意点」

 

今回のポイント
 ブラック企業と思われないように 

 

 

大黒柱の石川が抜ける穴を埋めるべく「転職エージェント」による「スカウトサービス」を積極的に利用していくことに決め、手続きや登録を開始した。

 

スカウトサービスを実施している転職サイトは大手から中堅まで幅広く、かなりの数にのぼる。

もちろん転職希望者が圧倒的に多い大手はすぐに登録。

登録者数が多い上位3つに登録しつつ、地域に根ざしている中堅どころも利用。

登録者が多くても、IT業界に強い転職エージェントや、都内の転職に強い転職エージェント、役職者などヘッドハンティング用の転職エージェントなど特色がそれぞれあるので、ニーズに合ったところを利用するのが重要だ。

 

 

ニーズに合った人材が見つかればスカウトメールが届く仕組みだが、企業側が直接スカウトメールをするパターンと、エージェントからスカウトメールが届くパターンの2種類がある。

 

転職エージェントとしても転職に成功しないと成功報酬を得ることができないので、求職者をかなり手厚く転職サポートしたり、頻繁にスカウトメールを送信してくれるという熱の入れようで、即戦力獲得の期待は大きい。

 

そして最も激アツなのが、

 

登録している転職希望者の

 

職務経歴書を確認して

 

企業人事が直接スカウトできるサービスだ。

 

これだと間違いなく即戦力を探し出すことができる。

現状大手進学塾で働いている最中ということもあり、指導力が錆び付いているような心配もいらない。

年齢も20代の若手だけではなく、30代、40代という実績十分の人材もすぐに見つけることができる。

 

確かにこの環境であれば石川に代わる人材を獲得するのも条件次第では簡単そうだ。

 

実績を確認し、めぼしい人材には即座にスカウトメールを送信。

オンライン講師ではなく、教室での直接指導がメインになるので埼玉県で働けることが必須である。

 

期間に限りがあるので、とにかく早く決めたい。

 

しかし、その願いもむなしく、スカウトメールを送信し続けてもなかなか良い返答はなかった。

 

 

今日は休みということもあり、顧問税理士の天海さんと久しぶりの夕食。

健康に気を配って、炭水化物・脂質は抑えめ、タンパク質をしっかり確保できる和食のお店を選択した。

ちなみに1日の目標しているタンパク質の摂取量は65gで、日々目標を達成できているからなのか身体の調子がすこぶる良い。

脂質を抑えてトレーニングしているので身体つきも明らかに変わった。

 

「面接についてはどういった対応にしておるのじゃ?」

 

「なにせ良い人材にはすぐにでも働いてほしいですから、面接通過確定の特典をつけてスカウトメールしています。つまり最終面接のみです」

 

いきなり最終面接に招待するのは早計じゃぞ。

 

それは誰でもいいから人材を確保したい

 

というブラック企業の典型だからだ。

 

怪しい企業だと思われないようにアプローチすることが大切じゃ」

 

「離職者の多いブラック企業は常に人材不足ですからね、そこと同じに見られるのは心外です」

 

「たくさんの人材に声をかけたいからとテンプレのメールを送信するのも不信感をもたれるのでNGじゃぞ。しっかり職務経歴書を見てスカウトしているということをアピールする必要がある。そもそも転職の希望は強くなく、ただ自分の市場価値を確かめたいと登録している者も多いので、そういった人材はスカウトメールに反応しないのじゃ」

 

「なるほど・・・・・・ 私は焦りすぎですね」

 

「ドイツの詩人ゲーテ氏の言葉には、

 

焦ることは何の役にも立たない。

 

後悔はなおさら役に立たない。

 

焦りは過ちを増し、

 

後悔は新しい後悔を作る

 

とある。はじめさんの学習塾の未来を担う重要な人事じゃから、腰を据えてじっくり取り組むことじゃ」

 

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