コラム



税理士がサポート!『はじめて起業ものがたり』  「起業って何から始めればいいのか 256 国の法律改正がビジネスチャンス」

 

今回のポイント
 ニーズの変化 

 

 

2026年3月、全国区の大手オンライン家庭教師が破産申請をし、激震が走って動揺に揺れる塾業界。

少子化・物価高・人材不足・AI普及により、これまで以上の過酷な生き残りをかけた競争の到来を予感させた。

 

しかし、ネガティブになってばかりはいられない。

どんな業界であれ、顧客に認められた企業は成長し繁栄している。

攻めの姿勢は常に崩したくはなかった。

 

私の経営する学習塾では、これまで講師陣の大黒柱と期待していた石川が退職したものの、代わって正社員として採用した伊達が大きな成果をあげ、希望をもたらしてくれた。

 

まだまだ勝負はここからである。

 

 

顧問税理士の天海さんからも励まされてばかりだ。

 

今後の経営の大きなヒントとなるアドバイスをたくさんいただいているが、その中でピンときた言葉があった。

中国の起業家で、アリババグループの創業者であるジャック・マー氏の

 

チャンスは常に人々の不満の中にある

 

というもの。

 

「高校無償化」は2024年度まで年収910万円未満の世帯限定だったが、教育機会の均等を求める声があり、2025年度には国公立高校はすべての世帯が無償化となった。

ただ、私立高校については所得制限があり、負担はいまだに大きい。

39万6千円の支給額は、年収590万以上の世帯であれば11万8,800円まで減ってしまう。

 

「公立高校と私立高校どちらに進学すべきか」は人それぞれではあるが、首都圏は圧倒的に中高一貫の私立へのニーズが高いし、地方もひと昔のような「公立高校に落ちたから私立高校へ」という感覚は変わってきている。

 

教育現場にはさまざまな問題が起きており、SNSの普及もあって情報は共有されるようになった。

学校の教育現場が透明化されてきているといってもよいだろう。

問題が明るみになるにつれ保護者も生徒も信頼できる学校を求める志向は強くなった。

 

顧客のニーズに応えてくれる先が

 

仮に私立高校だったとしたら、

 

現状の制度による所得制限込みの無償化は

 

不満の対象となる。

 

高市内閣が、2026年度から高校授業料の無償化を拡充する改正法案を閣議決定したのも自然な流れだ。

これにより私立高校の無償化の所得制限は撤廃され、すべての世帯が45万7,200円の支援を受けられるようになる

(注意:支援金は学校に給付されるため、家庭が直接受け取ることはない)。

 

現状としてはまだ予定であり、計画段階ではあるが、国の法律改正が現実となれば、首都圏だけでなく全国的に私立の中高一貫校へのニーズが高まるのは間違いない。

 

少子化の流れとは逆行して信頼の高い学校では受験倍率が上がる現象も起こる。

そもそも人気の学校は少子化の時代にあっても倍率は下がってはいないのだ。

 

逆に公立高校の中には倍率を大きく下げ、淘汰されるといったケースも多くなるだろう。

学校教育であれ、塾業界であれ、幅広く生存競争は加速していく。

 

私立高校無償化という変化は

 

新しいビジネスチャンスだ。

 

国の法律改正が

 

それを明確に告げてくれている。

 

塾業界では実績を残している大手企業が圧倒的に強いのは承知のうえだ。

改正法案によって恩恵を受けやすいのは中小企業よりも大企業になるだろう。

しかし、まったく対抗できないわけではないことを、今回の冬期講習会から3学期にかけて伊達が証明してくれた。

戦略や手法によっては中小企業にだって十分チャンスはある。

 

古参の石川が去り、オンライン部門の計画も一端は頓挫したが、ここは改めて腰を据えて対応を検討していく必要があるだろう。

 

こうして私はオンライン部門の立て直しに伊達に積極的に参加してもらうことを決心した。

 

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