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税理士がサポート!『はじめて起業ものがたり』 「起業って何から始めればいいのか㊱ 初めての確定申告に向けての準備:クラウドの会計システム」

【このお話では、サラリーマンを続けていた40歳の松平はじめが、起業に挑戦し、税理士からアドバイスを受けて、成果を出すための大切な気づきをいろいろと得ていきます】

 

今回のポイント
 MFクラウド確定申告で一括管理 

 

 

11月も半ばになると朝晩はすっかり冷え込んできた。慌ただしかった2021年ももうあと50日ほどで終わってしまう。新しい挑戦、新しい出会い、いろいろあった充実した1年だった。笑顔でこの1年を締めくくるためにも、残りの期間も気を緩めず1日1日を大切に取り組んでいこう。

 

 

そんな決意を固めながら今日は天海さんの税理士事務所に向かっていた。いつもは相談するため自分から訪れることが多かったが、今回は珍しく天海さんから来るようにという要望があった。いったい何の話だろうか?

 

「やっぱり2022年に向けての戦略会議かな」

 

もうすぐ冬休みだ。夏休みとは異なり、短期勝負の冬期講習会となる。受け付けも開始したので、ここから大々的な告知活動。募集活動とその後の入会活動について何か秘策があるのかもしれない。

 

「おお、はじめさん、忙しい中よく来なすった。早速、そこに座りなさい」

 

天海さんは応客用のソファーに座り、お茶をすすっていた。テーブルにはノート型パソコンが置いてある。私が対面のソファーに座ると、天海さんはパソコンの画面をこちらに向けた。画面にはカラフルな棒グラフが表示されている。

 

「このグラフは何ですか?」

 

「はじめさんが起業した学習塾の売上の推移じゃよ。こっちは経費じゃ」

 

 

「なるほど、確かに。月次推移の数値が可視化されているとわかりやすいですね。今後の戦略のための分析に利用するわけですか」

 

「もちろんそういった利用の仕方もあるがじゃろうが、今回は別の目的じゃ」

 

「別の目的?」

 

「2021年ももうすぐ終りじゃ。そうなると何の時期になる?」

 

「1月、2月、3月は受験期ですね。そして年度末なので、塾選びを始める家庭も増えてきますので、塾業界にとって最も重要な時期になります」

 

「それもそうじゃな。だがそれだけではない。個人事業主となった以上、

 

確定申告という大切な行事も控えておるぞ

 

「確定申告・・・・・・ そういえば起業の際にそんなお話もされていましたね。以前の学習塾に勤めていたときも毎年年末にいろいろ書類を提出していました。保険料支払いの領収書とかだったかな」

 

「それは年末調整じゃろう。サラリーマンの給与は税金や保険料がすでに天引きされておるからの、報告は最低限で済む。しかし、個人事業主になるとその税金や保険料を決めるために売上や経費の報告が必要になる」

 

「うわ、それは聞いただけで面倒ですね。これまでのをいちいち全部まとめるんですか・・・・・・ 頭が痛くなってきました」

 

「安心せえ、じゃから最初にクラウドの会計システムに登録したんじゃ。経営で忙しくなるから年末が近づくまで詳しい説明はしなかったがの」

 

「これがそのクラウドの会計システムということですか」

 

Money Forward クラウド(MF)じゃ

 

ネットバンキングやクレジットカードと連携させることでデータを自動的に引っ張ってこれるから楽じゃ。起業時にビジネス用の口座とカードを作るよう言ったのを覚えておるか? パソコンからだけではなく、スマートフォンでも活用できる。ネットバンクを利用しての入出金も簡単に確認できるのでとても便利じゃ。」

 

「そうか、じゃあもう提出する売上や経費はまとまっているんだ。これは助かりますね!」

 

「いや、これだけでは完結しない。現金の取引は自動的には確認できないから、現金で支払ったレシートを持ってきてくれと言ったのはそのためじゃ。ただし、

 

MFを利用すれば、

 

少なくとも会計業務にかかる時間は

 

半分以下に抑えられるぞ。

 

その分の時間を新年度に向けた準備に充てられるということじゃな」

 

 

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