【このお話では、サラリーマンを続けていた40歳の松平はじめが、起業に挑戦し、税理士からアドバイスを受けて、成果を出すための大切な気づきをいろいろと得ていきます】
令和5年の新年度がいよいよ本格的にスタート。
起業3年目となる私の学習塾は、塾生数・売上共に前年比割れという残念な4月スタートになったが、顧問税理士の天海さんの親身なアドバイスを受け、気持ちはかなり切り替えることができている。
ネガティブな気持ちで一日が始まるのと、目標達成に向けて今日も頑張ろうという気持ちで一日が始めるのでは、天と地の差がある。
今は運気の流れが変わり、良いことが起こるような予感があった。
「夏休み明けまでに前年比プラスにする」
これが経営目標だ。
気持ちがポジティブになると発想や行動も変わってくるもので、今、私の頭の中を占めているのは、生徒たちの意欲を上げていくための方法は何かないかということである。
なにせ5月を迎えると、一般的に5月病と呼ばれる極端なモチベーション低下がいろいろな生徒に起こるので、その予防線を今のうちに張っておきたい。
それにはやはり生徒たちにも目標を改めてしっかり定めてもらう必要があるだろう。
「私は来春からこの志望校に通いたい!!」
まずはそういった気持ちを高めていきたいものだ。
天海さんも目標や目的をしっかりと定めておくことの重要性は常々口にしていた。
その点において子どもも大人も、生徒も講師も違いはない。
誰もが成長していくために意識すべきことである。
しかし、そう簡単な話ではない。
ただ闇雲に勉強をしろ、テストの得点を上げようと言い続けても、この時期の生徒には火が付かない。
火が付くタイミングが早ければ早いほどライバルたちに差を付けることができるので、この4月・5月のスタートダッシュが志望校合格の大きな鍵を握っているのだが・・・・・・
天海さんから聞いたインドの独立を実現したマホトマ・ガンジー氏の言葉が浮かんできた。
『目的を見つけよう。
手段は後からついて来る』
なぜこの時期に頑張らなければいけないのか、生徒自身が納得し、そうしたいと思ってもらうことが大切である。
目標が意識や行動を変えるのだ。
何かヒントはないかと学生アルバイト講師の石川にそれとなく相談をしてみた。
講師陣の中で実績一番で、生徒からも私からも信頼が厚い最も頼りにしている講師である。
「高校生の頃の話になりますが、私の経験では、合格して志望校に通っている先輩からのアドバイスが一番刺激を受けました。合格したいという気持ちにもなりましたし、どのような勉強が必要なのかいろいろ参考になって実践してみた記憶があります」
「なるほど、私の学習塾を卒業したOBやOGを呼んで、その合格体験談を語ってもらうというイベントか、いいなそれ」
実際に受験勉強を経験したばかりの先輩の言葉は生徒たちに響くだろう。
当日は高校の制服で話をしてもらうことで、自分も来年は同じ制服を着るんだという具体的なイメージにも繋がる。
起業1年目のときには当然卒業生がいないので実現不可能なイベントだが、昨年は全員合格しているだけにたくさんのOB・OGが来てくれる。
それだけいろいろな角度からの話を生徒たちは聞けるということだ。
これは楽しみなイベントになりそうである。
塾生だけではなく、入塾はしなかったものの講習会に参加してくれている一般生にも参加を募ろう。
中学2年生だけでなく、中学1年生にも良い影響が期待できるので、参加できる学年の範囲も広げていいだろう。
保護者にも参加してもらうことで、生徒と保護者の目標がより近づき、今後の受験生活への波及効果も期待できる。
私自身も成功へのイメージがハッキリしてきた!