【このお話では、サラリーマンを続けていた40歳の松平はじめが、起業に挑戦し、税理士からアドバイスを受けて、成果を出すための大切な気づきをいろいろと得ていきます】
8月になり、夏期講習会も中盤にさしかかっている。
とにかく暑い。
世界的にもこの異常な暑さは連日ニュースで取り上げられているほどで、7月の暑さはここ12万年で最高気温だという話も聞いた。
地球の温暖化ははっきりと目に見える形となりその深刻さを人類に突きつけている。
SDGsは世界中で最優先すべき目標なのはもはや間違いないだろう。
現状としては、猛暑への対策だ。
経営者としては、化石燃料費が高騰している中、できる限りクーラーでの消費電力を抑えたい。
もちろん無理な制限は熱中症などを引き起こす危険性があるので、無理に使用を制限するつもりはない。
できるだけ環境省が推奨している設定温度28℃を維持したいのだ。
だが現実問題として設定温度28℃では暑かった。
そもそも設定温度ではなく、室温28℃が理想という話で、屋外が40℃近くまで上昇している中では設定温度はさらに下げなければ快適には過ごせない。
クーラーの1℃の設定温度の調整でおよそ10%の省エネ効果がある。
猛暑を予想し、顧問税理士の天海さんのアドバイスを聞いてドアの遮熱性を向上させておいたのは正解だった。
昨年の設定温度よりは高くても室温の上昇を抑えられている。
しかし8月はさらに猛暑日が続く予想なので、もう一押し省エネ対策をしたいところだ。
天海さんに相談したところ
・室外機の周辺の整理
・クーラーのフィルター清掃
・ブラインドを使っての遮光
・サーキュレーターでの空調の循環促進
特にブラインドを閉めて窓から熱の伝わりを遮断することで10%以上の省エネ効果があるとのことだった。
この点は今後徹底することを学生アルバイト講師陣とも共有。
室外機に直射日光が当たらないようすだれで遮光しつつ、吹き出し口周辺の障害物を整理して風通しを良くした。
この工夫で電気代が2/3になるという報告もあるそうだ。
クーラーのフィルター清掃も忙しさのあまりに忘れていたので、すぐに取りかかった。
フィルター清掃でも4%の省エネ効果が期待できる。
教室内の空気の循環を向上させるためにサーキュレーターも購入した。
冷たい空気が下、熱い空気は上に向かうため、天井付近に設置したクーラーが必要以上に教室を冷やすことがあるが、サーキュレーターのおかげでこの問題も解決できる。
さらに熱中症を予防するために、生徒たちには水分をこまめに摂取することを重ねて話している。
教室で水は飲めるのだが、熱中症対策には水だけでは不足だ。
家庭にも、自習室を利用するなど長時間滞在する場合は、塩分もしっかり補給できるスポーツ飲料を持たせるようお願いしている。
このような取り組みを天海さんに報告した。
「さすがにはじめさんは行動が速いの。
そういった一つ一つの積み重ねが
大きな省エネ効果を生む。
今の時代、SDGsへの取り組みを
積極的に行っている企業は評価が高い。
サスティナブルをどう実践していくかは大切な知識でもあるので、生徒や家庭にもはじめさんの学習塾の取り組みを伝えていくべきじゃな」
「生徒が勉強に集中できる環境をしっかり維持しつつ、できる限りの省エネを実践していきます。それが地球にとっても、私の塾にとっても重要ですね」
「ハリウッド映画スターのレオナルド・ディカプリオ氏も地球温暖化についてこう言っておる。
『私たちの惑星の警鐘が鳴っている。
目を覚まし行動を起こす時間だ』
との。省エネ活動の工夫も経営者に与えられた大切な役割じゃな」