コラム



税理士がサポート!『はじめて起業ものがたり』  「起業って何から始めればいいのか 145 繁忙期のミスを減らす方法」

 

今回のポイント
 忙しいときこそ心に余裕を持てる工夫 

 

【このお話では、サラリーマンを続けていた40歳の松平はじめが、起業に挑戦し、税理士からアドバイスを受けて、成果を出すための大切な気づきをいろいろと得ていきます】

 

 

2023年から2024年にまたがっての冬期講習会が終了した。

教室に通った一般生50名のうち入塾して3学期から塾生になったのはわずか3名。

中学1年生が18名中2名入会、中学2年生が7名中1名入会となった。

母体数の大きかった中学3年生21名の中からは入会者はいなかったのだが、受験・卒業目前という背景があり中学3年生の入会が厳しいのは例年通り。

 

とはいえ、全体の入会率が10%に満たなかったことは営業の面では失敗である。

中学3年生が多かったという理由もあるが、それ以上にあまりにも多忙を極め、細かい対応が行き届かなかったのが大きな反省点だ。

自習室での質問対応の順番に不手際があったり、宿題の取り組み不足に気づかずに野放し状態になってしまっていた生徒が出てしまったため、

一般生だけでなく塾生にも影響が及び、対応面の品質低下に伴い塾生の家からもクレームのような連絡を数件受けることになった。

 

 

さらに一番の問題点は、講師がレッスンの開始時間に遅れてしまうケースがいくつも起こってしまったことだ。

これはさすがに今まで無かったトラブルで、致命的なミスのため私もかなり驚いた。

理由は休み時間の質問対応や家庭への電話対応が長引いてしまったことである。

対応人数に比べて講師数が不足していたことが大きな原因になっているのは間違いない。

 

繁忙期だから起こりえるミスとも言えるだろうが、それで片付く話ではない。

サービスの低下は塾生の満足度を低下させ退塾に繋がるし、評判が落ちれば今後の募集にも大きな影響を与える。

そして何より生徒の夢の実現を応援するはずの自分たちが、その足を引っ張ることになってしまっては本末転倒だ。

 

冬期講習会が一段落し、私は直接出かけて顧問税理士の天海さんの事務所を訪ねた。

今回の冬期講習会の結果と課題点について話し合うためである。

 

「忙しいという字は、心を失うと書く。心を失えば集中しなければならない目前の業務にも隙ができてそれがミスとなるじゃろう」

 

「私の方でスケジュール管理を行い、ギリギリのラインで働いてもらったのですが、要求が厳しすぎたのかもしれません」

 

管理職の人間が業務の割り振りをするのは

 

しごく当然の話ではあるが、

 

当事者たちがひと任せになっていた可能性もあるぞ。

 

スケジュール調整は各自がしっかりと

 

責任感や危機感を持って行う必要があるじゃろう

 

 

「ミスの少ない石川や酒井はいつもスケジュール帳を持ち歩いて、何かあるとメモしています。忙しいときこそそういった取り組みが大切なんですね」

 

「業務の優先順位もしっかり把握できるからの。前日の寝る前に翌日の業務をおさらいしておくと、起きてからテキパキ動けるものじゃ」

 

「日の浅い学生アルバイト講師たちはそこまで徹底できていなかったかもしれません」

 

深刻なケアレスミスが発生するのであれば、

 

手間がかかるが

 

ダブルチェックも必要じゃろうな。

 

朝昼晩と重要事項の確認や共有をする時間を短くていいから確保することも効果的じゃ」

 

「起こってしまってからの事後報告ばかりで、私もそれを予防する意識が低かったと反省します」

 

睡眠時間もしっかり確保し、

 

体調面を整えるだけでも繁忙期のミスは減るぞ

 

「新人の井伊は前日夜に再度予習する時間を捻出していたので、睡眠時間がほとんどなかったようです。過ごし方についてもアドバイスが必要でした」

 

「しっかりルーティンを決めて臨めば忙しい時期でも心に余裕を持つことは可能じゃ。3学期はさらに忙しい期間になるじゃろうから今回のケーススタディーは貴重じゃの」

 

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