コラム



税理士がサポート!『はじめて起業ものがたり』  「起業って何から始めればいいのか 151 大手の企業から学ぶことで精度向上」

 

今回のポイント
 スキルはコピーではなく盗む 

 

 

2004年2月も残すところ1週間あまり。

中学受験は完全に幕を下ろし、我々講師は高校受験や新学期への準備に集中できる時期となった。

 

新学年への移行という点では最も敏感に反応したのが、やはり都内の中学受験志望の新小学6年生・新小学5年生である。

今回の中学受験全員合格の実績、Webサイトなどで大々的に紹介した合格体験談の効果はてきめんで、オンライン生の問い合わせや申し込みが連日続いていた。

市場規模が大きいだけに成功した際のリアクションは予想以上に大きいということなのだろう。

 

 

この勢いに乗るためには、オンライン部門を担当している学生アルバイト講師の石川を専属の主任とし、オンラインレッスンに特化した講師を増やしていくことが急務である。

リモートワークの求人については問い合わせが多いので人手不足はまったく問題なさそうだが、信頼できる講師の育成には時間がかかりそうだ。

 

この1年間本腰でオンラインレッスンを行ってきて感じた一番の問題点は、大手進学塾の補習対応の難しさである。

使用しているテキストは最難関校受験に対応できる内容で、特に算数の難度が極めて高い。

実際のところ、図形の相似については公立中学校3年生のレベルの問題(さすがに無理数は登場しないが)であり、数列や場合の数などは高校の数学A・Bに匹敵するものだ。

よほど算数の指導に精通していないとレッスンはままならない。

 

ただし、オンライン生は都内・関西の大手進学塾に通っている生徒ばかりで、どんな問題をどういう手順で学習しているのか、どんな対策をして、どんな問題を解いているかまで知ることができてたいへん勉強になった。

これだけの内容を小学生の時期に勉強してから中高一貫校に通う子と、通常の学習内容だけを勉強して公立中学校・高校に通う子では最終的に大きな学力の差が生れるのは当然のことである。

 

環境の差が教育の差になるというのはまさに的を得ている。

スタートダッシュも大きく違えば、課せられている問題、目標もまったく異なるのだから中学受験にかけられるだけの費用を投資する親の気持ちは良く理解できた。

インターネットが普及し、情報が共有されやすい時代になったからといっても、この点について知らない地域や家庭がまだまだたくさんあるだろう。

 

大切なのは我々講師がここから学んだことを地元の一般生にどう還元していくかという点だ。

 

この命題について、私は顧問税理士の天海さんと久しぶりの夕食を共にしながら話をした。

 

「もちろん地元の公立高校受験に向けてそのニーズを満たす学習内容を提供することは大事です。それしか要求していないご家庭がほとんどです。しかし、我々講師がそれに甘んじて指導をしていたのでは教育格差は広がる一方なのです」

 

「オンライン部門を通じて得たものをどう活用していくのかということじゃの。そのままカリキュラムとして取り込んでもうまくはいかないと?」

 

「ええ、要求している難度や目標との差がありすぎてついてこられずに塾を離れていく塾生が増えるのは火を見るよりも明らかです」

 

 

「フランスで制作活動を行った画家のパブロ・ピカソ氏の言葉に、

 

凡人はコピーをする、

 

天才は盗む

 

とある。この場合の盗むというのは、感じたものをどう取り込んでどう自分なりに表現していくかというクリエイティブな技法のことじゃろう。

オリジナルにこだわりすぎてもニーズに応えられる保証はない。

だからこそ効果的にスキルアップするためには、コピーするのでなく盗むべきじゃ。

 

優れた手法から

 

学び・盗むということは

 

企業の精度向上にも

 

重要な要素になる

 

もしかするとそれがはじめさんの学習塾の棲み分けになるのかもしれんの」

 

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