2024年も夏真っ盛りの水無月に入った。
今年の梅雨入り予想は6月中旬、それ以降はかなり蒸し暑くなるようだ。
暑さ対策と共に大雨対策などもしっかり取り組まなければならない。
5月には、他県の同業者から業務見学の要望があり、顧問税理士の天海さんに相談した結果、受け入れることを了承した。
6月中旬から定期試験対策や夏期講習会募集のピークとなりどちらも忙しくなるため、見学時期は6月上旬、つまり来週となった。
再来週は石川、酒井、本多、榊原、井伊を順にこちらからも見学に向かわせる。
見学は1泊2日、宿泊込みで、夜の食事会では様々な塾講師と交流できるよう段取りした。
こういった研修は経費として計上できるので、今回の様子を見て何かしらの成長を感じられるようであれば、今後も積極的に進めていく予定である。
一方で塾生対応についての話になると、今週は中学生の中間テストの結果が出そろった。
試験を作成する学校の先生の特徴も把握済みなので、問題の出題内容は鍛えてきた内容とほぼ一致。
定期試験なのでそこまで驚くような難しい問題は出題されないということもあり、しっかり準備をしてきた塾生はやはり成果をあげている。
一方で準備不足を心配していた塾生は案の定失敗している。
それでもギリギリまで対応した甲斐もあり壊滅的な結果というわけではなく、学校の平均点はクリアしていた。
現状の学力や準備状況なども事前に家庭に連絡していたので、クレームのような電話がかかってくることはなかったし、退塾意向も今のところ出ていない。
学年順位も発表され、13人と一番多くの塾生が在籍する中学3年生で、学年1位、2位、3位を塾生が独占した。
これは学習塾を開いてから初めての快挙だった。
基本的に1位から10位までは大手の進学塾に抑えられており、トップ10入りは学年に1人いるかいないかというのがここまでの成果だ。
それがいきなりトップ3独占なのだから反響は大きなものがあった!
もちろんWebサイトでもこの成果は大々的に公表したし、教室の窓に貼る外向けのポスターでもアピール。
その結果、なんと今週だけで中学3年生の見学申込が5名。
しかも驚いたことに、見学希望生の中には大手進学塾からこちらに移ってきたいという生徒も混じっていた。
この現象もまったく初めてのこと。
話をよく聞くといつもトップ5入りしている優秀な女子生徒で、今回初めてトップ10入りも逃したようだ。
かなり悔しがっているのと、トップ3になった生徒のいる学習塾に興味を持ったらしい。
今回の件で、やはり塾業界では「どれだけ成績を上げたのか」という成果が大きく影響することが立証された。
逆に言うと、結果を出せなければ私のような小さな個人学習塾はあっという間に淘汰されてしまうということだ。
天海さんとは繁忙期になる前になるべくたくさん会っておきたいので、天海さんの許可を確認した上で、私はほぼ連日のように昼食を共にしていたのだが、今回の出来事もすぐに話をした。
「驚くような成果を上げることができたのは、はじめさんらがここまで教育に真摯に向き合い、努力を継続してきたからこそじゃの」
「天海さんからアドバイスいただけてこその成果ですよ」
「どちらにせよ中小企業が大企業にひとつでも勝ったという事実には変わりない。これは塾業界だからという話ではないじゃろう。日本セラミック創業者である谷口義晴氏は、
『小さい会社だったからこそ、
細かな注文に確実かつ
迅速に応えられたのです』
と語っている。
小さな会社の強みを見事に発揮し、
一人ひとりの顧客に目を向け、
丁寧に対応し指導して信頼を得た結果じゃの」