2024年も12月に突入し、いよいよ最後の月を迎える。
思い返すとお正月がつい先日だったような気がするほどあっという間に1年が過ぎた。
それだけ忙しく、充実した1年を過ごせていたということだろう。
塾業界はここからが正念場。
1年の余韻に浸っている余裕などまったくない。
冬期講習会、中学受験、3学期学年末試験、春期講習会募集、高校受験、春期講習会、新年度と怒濤の如く重大なイベントが押し寄せてくる。
勢いをつけるためにもまずは冬期講習会を成功させたいところ。
しかし募集については、この夏から進出してきた大手進学塾「清洲予備校」の影響でかなり苦戦しているのが現状だ。
そんな中、中学生は2学期期末テストを終えた。
「夏入会の3名の塾生の得点を100点伸ばす」という目標を掲げて準備してきたので、講師陣の注目はやはりここに集まる。
毎日何かしらの科目の答案が返却され、その結果を聞いて担当講師は大喜び!
数学は学年平均点止まりだった生徒が平均プラス25点と自己ベスト更新をするなど、大幅な得点アップ。
5科目合計100点どころか130点も伸ばした生徒がいたほどだ。
もともと在籍していた塾生も大いに頑張って塾生全員の平均点は学校の平均点プラス110点と過去最高記録を叩き出した!
この成果をすかさずタイムリーに掲示物として貼り出し、塾生全員に健闘ぶりを伝え、さらにwebサイトでも大々的に取り上げてアピール。
幸運が幸運を呼び込むのか、翌日、翌々日と冬期講習会の申込が続く。
嬉しいのは夏入会の塾生から紹介があり新規参加生の申込も2件あったことだ。
それだけ生徒も保護者も今回の成果に納得してくれている証拠である。
努力をしっかり継続してくれる生徒の友人はだいたい同じような傾向があり、素直にアドバイスを聞けるので成績が伸びる。
しかも互いに切磋琢磨するのでさらに相乗効果が期待できた。
期待以上の好循環である。
こうして先日まで募集の合計が5名だったのが、ここ3日間で小学5年生2名、小学6年生4名、中学1年生4名、中学2年生3名、中学3年生7名と一気に20名に到達したのだ。
この状況を報告すべく、私は興奮気味に顧問税理士の天海さんの事務所に向かった。
「3日間で15名の申込には驚きました! まあそれでも昨年の募集数50名には遠く及びませんが、希望が見えてきた気がします」
「何か清洲予備校でも騒がしい様子じゃな」
「さすが天海さん、もうそんな情報が入っているんですね。そうなんです。実は、今回の無料講習会に学校で有名なやんちゃな子が申込したそうで、それを聞いて参加取りやめを決めた生徒が数名こちらに流れてきています」
「無料講習会のデメリットがここであらわになったか。これを幸運と呼ぶかは別として、
良い流れを引き込めたのは、
はじめさんが諦めることなく、
戦略的に準備を進めてきた成果じゃよ。
フランスの細菌学者でワクチンの生みの親とも呼べるルイ・パスツール氏の言葉には、
『幸運の神様は
常に用意された人にのみ訪れる』
とある。
成功を信じて万全の用意をしていたからこそ、
この幸運を活かすことがじゃできたんじゃ。
胸を張って12月の募集活動を続けていけばいい」
「ありがとうございます。夏入会の生徒を厳選し、鍛え上げ、その成果と今回の思わぬ追い風がうまく噛み合ってくれました! 募集の早期割引き期間もあと1週間ありますし、紹介できるという塾生の情報もまだまだありますので、できる限り昨年の50名に近づけていきたいです!」
「君子、危うきに近寄らずという。くれぐれも競合の悪評を広めるような行為に加担だけはせぬように注意するんじゃぞ」