今回からオンライン部門で正月特訓のイベントを開催したため、大晦日と正月、2024年と2025年の境に気づかないほど忙しい中で新年を迎えた。
あれもこれもと対応しなければいけないが、この1月のメインはなんといっても中学受験だ。
都内を除くほとんどの地区で1月に入試本番が行われる。
日程は様々。
ここ埼玉では1月10日が最難関校の入試日で、関西の生徒であれば1月18日からが入試日だったりする。
もちろん1月に3校、4校と受験する生徒も多い。
今は本番まで残り1週間という最も緊迫した期間なのだ。
仕上がりは順調で、どの地区の生徒も第一志望合格の可能性は多いにある(2月に実施される都内受験は別だが・・・)。
だがこればっかりはやってみなければわからない。
本番の調子で大幅に得点が上下するので、絶対に合格できるとも、必ず落ちるとも言えないのだ。
人生初めて味わう今後の進路を決める重要な勝負。
緊張に飲まれる子もいれば、本番に強さを見せる子もいる。
講師側はどの生徒がどのタイプかおおよそ予想できるものの、親子は実際にそのときを迎えてみないと自分たちがどう変わるのかピンときていない。
だからときに大きな問題が起こる。
過去には、直前に過去問が解けないのに焦って模範解答を丸写しして高得点取ったと親に見せていた生徒もいた。
当然実力が高まることもなく本番は惨敗。
親は大丈夫だと思い込んでいただけに落胆ぶりは計り知れない。
逆に目の前に迫った入試のプレッシャーを感じて焦り始める親もいる。
あれもこれもと心配し出して指導への横やりが多くなり、せっかく整えてきたリズムを崩して生徒自身も本番乱れるケースだ。
しかも今年はインフルエンザの流行が早く、しかも異常な感染速度である。
生徒の中には自分のクラス以外すべて学級閉鎖になったという話もあった。
冬休み明けは基本的に1月の学校は休み、受験に備えることになるのだが、塾でも感染の波はやってくる。
10月ごろからレッスン時には生徒に対しても、保護者に対しても、とにかく最後は体調管理が合否を分けると口酸っぱく言ってきた。
特にインフルエンザに対する予防についてはしつこいくらいに話してきたのだが、こういう事態に陥らないと実感できないのか、対策が甘めの家庭もあるのが実態だ。
実際に関西地区でインフルエンザ感染生徒が1名出た。
よりによってこの1月に入ってからだ。
予防接種を受けていないため感染するとダメージは大きい。
聞くと地元の進学塾にはマスクを着用せず講習会に参加していた。
なぜ?
何年もかけてここまで準備してきてなんでこうなるのか親子共々叱りつけたい衝動にかられるが、それをなんとか抑え、冷静になって今後の対応策について話をする。
焦りを煽ってはいけない。
親子はこちらの数倍焦っているからだ。
本番に少しでも実力を発揮できるような環境を整えるため、
講師はできる限りのサービスを提供する必要がある。
顧問税理士の天海さんからは、提供するサービスの質の向上について次のようなアドバイスを受けていた。
フォード・モータース創業者であるヘンリー・フォード氏の言葉
『成功の秘訣というものがあるとしたら、
それは他人の立場を理解し、
自分の立場と同時に他人の立場からも
物事を見ることのできる能力である』
焦ってパニックになっている親子の立場から現状を見ることで、「だからあれだけ言ってきたのに」という生産性のない見限るような言葉以外のアドバイスができるのだ。
「焦る気持ちを抑え、落ち着いて今はしっかり休養して完治させ、一日でも早く以前のリズムを取り戻すこと」
そのための言葉掛けが、今できる最善のサービスである。