3月中旬、公立高校の受験は終了し、結果も発表された。
中学3年生の塾生は見事に全員合格。
心配な生徒も少なくなかったが、最後の追い込みを講師・生徒・家庭が一丸となっての全員合格である。
誰もが喜びの表情だ。
まあ、例年と比較すると倍率が低かったというのが幸いしたのは間違いないが、それを口にする者はない。
私を含め講師一同も手放しで大喜び・・・・・・といきたいところだが、春期講習会まであと1週間あまり。
募集活動と、申込生への面談・入会活動で大忙しなため、合格報告に訪れる生徒と長く話をしている時間は取れない。
合格を勝ち取った中学3年生には事前に合格体験談を書いてもらい、その写真も撮っているので、合格が決まった直後に塾のWebサイトにすぐさま掲載。
そしてここが肝心なのだが、合格した喜びの熱が冷めない間に、家庭や塾生本人に後輩や兄弟の春期講習会への参加を呼びかけてもらう。
ここまで学習塾を経営してきて、一番効果のある募集活動は「口コミ」だとわかっているので、積極的にお願いをすることを忘れてはいけない。
中学3年生の全員合格のニュースが広まり、Web上の合格体験談を見てもらって、4名の講習会申込があった。
これで申込生は、小学4年生が3名、5年生3名、6年生3名、中学1年生7名、2年生3名、3年生6名(すべて春からの新学年)となった。
新中学3年生の数が少ないものの、他の学年は昨年の春期募集数とほぼ変わらない。
まだ開催まで1週間あるので、昨年比プラスも夢ではなくなってきている。
そんな中で塾サイトの紹介にかなりネガティブな口コミが掲載された。
実際に講習会に通ったことがある中学2年生(新中学3年生)らしいのだが、氏名は公表されていないので誰名のかまるで検討がつかない。
「質問しても長い時間待たされた」、「レッスンよりも入会活動の圧が強くて嫌だった」というもの。
口コミの影響力がわかっているだけに見逃すことはできない。
ひとまずいつも相談にのってくれる顧問税理士の天海さんに電話で報告した。
「こちらの意向ではそういった口コミは消せないようなんです。本当に一般の参加生の口コミなのか疑ってます。清洲予備校の嫌がらせなんじゃないかと・・・・・・」
「確かにそういった事件も多いじゃろうが、証拠もないしの。内容もあながち的外れというわけではあるまい?」
「・・・・・・ まあ、確かにそういった状況が特に期間の短い春期講習会ではないこともないですが・・・・・・ でもどこの塾でも同じような対応になっていると思うんですがね」
「どこもそうだからといってはじめさんの学習塾も同じでいいという話ではないじゃろう」
「はい、そうですね。しかし、こういった風評被害ってどうやって防げばいいのでしょうか?」
「叙事詩の神曲の著者であるダンテ・アリギエーテ氏は、評判いうものについてこう述べている。
『世間の人は真相よりも評判に目を向ける。
それだから技法とか道理とかに耳をかす前に
世評はもう定まってしまう』
とな」
「タイムリーな対応をしなければ手遅れということですか」
「ある程度風評を監視して、ネガティブな口コミを見つけた際にはすぐに炎上を予防するようにした方がいいじゃろう。
塾長または塾講師として返信を掲載し、
そういった気持ちにさせてしまった謝罪とともに
今はこういった対応をしているので
改善されているということをアピールする」
「なるほど返信機能がありますね。その返信も公表されて、ユーザーがみな見れるようになっています。ここで風評被害が広がるのを防げばいいのですね。
丁寧な返信をすれば
逆にこちらの印象を良くすることもできるのか!
すぐに取りかかります!」