2025年11月2日、今日は特別な日になった。
来週から4月まで繁忙期のため日曜日の休みはなくなるので、今年度最後の日曜日ということもあって顧問税理士の天海さんと夕食を予定していた。
そこでちょうどメジャーリーグワールドシリーズの劇的な幕切れ。
興奮冷めやらぬ中での食事となったのだ。
もちろん天海さんも根っからの野球好きなので、日本のプロ野球だけにとどまらず、メジャーリーグの話もよくしている。
「しかし、トロント(ブルージェイズ)とLA(ドジャース)のワールドシリーズ、7戦まで、しかも最後も延長戦までもつれる激戦でしたね! もう最後は座って観てられなくて、立ちっぱなしで叫びながら応援してましたよ」
「LAにはもともと多くの日本人プレーヤーが在籍していたのでなじみ深いし、今は大谷選手だけでなく、山本選手や佐々木選手といった超一流選手がそろって活躍しているからの。日本でもかなりの人がTVに釘付けだったじゃろう。カナダでは国民の45%が観戦していたそうじゃ」

「ポストシーズンに入って大谷選手が1試合3本のホームランを打ってMVPになっていましたし、今回は二刀流でのワールドシリーズ初挑戦ということでさらに注目を集めていました。実際に2試合投げていますしね! 打者としても延長18回までの死闘では4打数4安打2本塁打3打点5敬遠で9打席出塁というワールドシリーズ新記録も樹立しています」
「さすがに翌日の先発は疲労困憊じゃったが、それでも投手をして1番打者として最後まで試合に出続けるわけだからの、たいしたものじゃよ」
「山本投手もワールドシリーズ3勝でMVPですよ。前日先発して最終戦も9回から投げ続けるわけですから驚愕ですね。大谷選手だけでも世界中がアンビリーバボーなのに、今回の山本投手の活躍は異次元ですよ。日本人はいったいどうなっているんだと大ニュースでしょう。特にカナダ国民にとっては衝撃的ですね。しばらくの間は日本人拒否症になってしまうんじゃないかと心配です」
「記録にも記憶にも残る素晴しいワールドシリーズじゃったの。トロントもとても良いチームじゃったから優勝させてやりたかったが」
「経済面で苦戦している日本ですが、今回のメジャーリーグでの日本人プレーヤーの活躍は大いに励みになったはずです。
グローバル化がどれだけ進んでも
日本だってまだまだやれるはずだ
という勇気をもらいました!」
「はじめさんがこれだけ元気なのも最近では珍しいからの」
「そう言われると耳が痛いです。経営の悪い流れが断ちきれずに悶々としてご心配をおかけしています」
「いやいや、冗談じゃ。それより大谷選手が世界中からリスペクトされている要因のひとつは、誰もが考えもしなかった二刀流に挑戦し、努力し、結果を残している姿を現実に見せていることじゃろうな」
「世界のトッププレーヤーがそろっているメジャーリーグの歴史を振り返ってもベーブルース選手ぐらいですよ。しかも走攻守すべてとなると他に類を見ません。日本人の誇りです!」
「今後、業界を問わず
日本人が新しい時代を築いていく
可能性があるということじゃな」

「そうですね、同じ日本人として負けていられませんよ」
「大谷翔平選手の言葉に、
『誰かがやった後に続くんじゃなくて、
誰かがやったことをやるんじゃなくて、
その上をとにかく超えていく。
何か大事を成し遂げた人って、
人々が無理だって不可能だって言ったことに対して、
いやできると思った者が新しいものを作っていった』
とある。未来を切り拓くために大谷選手から学ぶことはたくさんあるぞ」

