コラム



税理士がサポート!『はじめて起業ものがたり』  「起業って何から始めればいいのか 250 大企業と中小企業の二極化」

 

今回のポイント
 小さくても淘汰は回避できる 

 

 

冬期講習会が終了し、3学期がスタートした。

3学期は短いがとても内容の濃い時期で、受験生にとっては本番の入試が行われるし、他の学年の中学生も大事な学年末試験が控えている。

 

塾講師はその対応と共に、春期講習会や新年度の募集活動を並行して行っていく。

まさに1年間の最後にして最大の山場。

 

私は慌ただしい日々にあっても時代にニーズは常に把握しておきたいと、様々な媒介を利用して情報入手をしているのだが、ふと気になるニュースを見つけた。

 

株式会社帝国データバンクによる2025年の「学習塾の倒産動向」だ。

 

 

 

その調査・分析によると、2025年の学習塾倒産件数は過去最多の46件。

少子化が止まらない状態で先細りしていくのは目に見えていたが、コロナ禍よりも厳しい状況である。

倒産のほとんどが中小規模の学習塾で、少子化の影響以外に「物価高騰」「講師の確保難」が要因となって収益を悪化させているという。

 

さらに大きな問題は、今まではある程度棲み分けされていた大規模学習塾との関係だ。

中小規模の学習塾に通う生徒を取り込む動きが加速。

 

大手が安価なAI自立学習のコースを導入したことで、中小規模の学習塾に通う中堅校を目指している塾生が流れてしまったのが大きな原因だと分析されていた。

 

AI教材システム利用料・アプリ手数料といった収入もあり「売上50億円規模の学習塾は9割が黒字確保」できている。

一方で「売上5億円未満の学習塾はおよそ4割が赤字経営」。

 

明らかに二極化している。

 

AIの導入・進化はこの先さらに塾業界を大きく変えていくことだろう。

独自の個性や価値を表現し、顧客にアピールできない中小規模の学習塾はその波に飲まれてしまう。

 

 

今日は久しぶりに顧問税理士の天海さんとゆっくり昼食を共にしており、自然とそのような話になった。

 

「まあ、悲観的な数字を見てばかりいても仕方あるまい。確かに大手の学習塾は軒並み増益または前年並みと問題ないのに対し、中小規模の学習塾は苦しい状態だが、

 

よく見ると中小規模でも

 

およそ3割が増益となっておる

 

「確かにそうですね。4割が赤字に対して3割は黒字。同じ規模でも対称的な成果ですね」

 

「つまりこの厳しい時代にあってもその環境に適応できておる中小規模の学習塾が一定数はいるということじゃ。はたしてどのような共通点があるのか、そこが興味深いの」

 

「生徒1人を獲得するための費用が数年前のおよそ2倍に跳ね上がっているとありますね。従来型の折込チラシからデジタル化への移行に経費がかかっている点もありそうです」

 

はじめさんはかなり早い段階から

 

DXにもお金と時間を費やしてきたので

 

独自の価値を提供できておる。

過去の成功体験にとらわれてばかりいる学習塾が一番の被害を受けているのかもしれん」

 

「なんとか私の学習塾も独自サービスの価値でこの局面をしのいでいきたいです。ここで淘汰されてしまうのはさすがに悔しいですよ」

 

「進化論を提唱した生物学者であるチャールズ・ダーウィン氏の言葉に、

 

自然淘汰とは、有用でさえあれば、

 

いかに小さな事であろうとも、

 

保存されていくという原理である

 

というものがあったの」

 

「有用でさえあれば小さくても生き残れると・・・・・・ それは心強い言葉ですね。大手学習塾の看板に押しつぶされそうなプレッシャーをみんな感じていますから」

 

「みんなというのははじめさんのところの講師さんたちか」

 

「ええ、なにせ清洲予備校が進出してきて、あの手この手を使ってきますからね。学生アルバイト講師たちが戸惑うのも無理ありませんよ」

 

「あの男、伊達さんもかね?」

 

「・・・・・・ いえ、伊達だけは違いますね。常にチャンスを探しています。そうそう、伊達の活躍について最新のお話をするつもりでした。聞いて下さい」

 

 

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