【このお話では、サラリーマンを続けていた40歳の松平はじめが、起業に挑戦し、税理士からアドバイスを受けて、成果を出すための大切な気づきをいろいろと得ていきます】
新規顧客獲得のターゲットは、この春に中学生となった中学1年生だ。現状の中学1年生の塾生の数がわずか2名の状態なので、この層を膨らませることができたら学習塾の売上がアップするだけでなく、現在の中学3年生が卒業した来年以降も売上を安定させることが可能だ。逆にここを膨らませることができないと、来年以降は一気に赤字経営に転落する危険性もある。
ということで、顧問税理士の天海さんに相談し、そこで「潜在ニーズ」という重要なキーワードを得ることができた。これをヒントにして今回初めて企画したのが、中学1年生対象の「無料・定期試験解き直し会」。科目によっては英語のように平均点が80点以上の科目があるので、実施する科目は絞って行う。重要なのは、ただ正答率の低い問題の解説をするだけでなく、志望校を意識させ、そのために何が必要かを問う親子説明会も同時に行う点だ。
おそらく思っていたよりも定期試験の結果が思わしくなかった生徒が集まってくるだろう。解けなかった問題が解けるようになった、だけで帰したのでは潜在ニーズに気づかせることはできない。そこに問いかけていくアクションが必要になる。
実は、天海さんとの話の中で、どうすれば生徒や保護者が自分自身の潜在ニーズに気づくことができるのかというヒントももらっている。
ポイントは、
「なぜ定期試験で得点を取りたいのか」
という点を掘り下げていくことだ。
ここで出てくる答えは「志望校に合格したいから」だろう。ではなぜ志望校に合格したいのか、きっと答えは将来希望する仕事をしたい、会社に入りたい、大学に進みたいといったものになるはずだ。では、そこで必要になるのは定期試験で得点を取る力だけだろうか?
- 目標に向けて努力をする力
- 計画性をもって準備する力
- 失敗を成功に繋げていく見直しの力
- めげることなくチャレンジしていく精神力
- 成長することが楽しいと感じる力
- 自己肯定力の向上
潜在ニーズを掘り下げていけば、これらの要素がとても重要であることに気づいてくれるだろう。そこでさらに考えてもらうことは、そういった力を今から身につけていくために、何が必要なのかということだ。正直、親としてこれらの重要性がわかっていても、成長を促すために実際に子どもにどう接していいのかは悩んでいるケースが多い。だからこそプロの指導者が必要なのだ。この学習塾と自分たち講師たちはそこに的確にアプローチできるということを強調する。
「勉強がそこまで難しくない時期なので、受験が近づいてきた中学3年生になればどこかの塾に通わせればいいや」ではなく、将来、本当に実現したいことを考えると、今からの準備や習慣づけがとても大切だということを説明会で熱く語っていく。
潜在ニーズに気づいてもらうことができれば、中学1年生の今から塾に通うメリットは充分に感じてもらえるだろう。
準備をしていれば必ず夢が叶うわけではないが、準備を怠ればチャンスを逃すことになる。アメリカのテレビ番組の名司会者でプロデューサーも務めているオプラ・ウィンフリー氏の言葉も天海さんに紹介してもらった。彼女の成功の秘訣だろう。
『準備万端の人に
チャンスが訪れることを
幸運と呼ぶの』。
将来、本当に自分のやりたいことを実現するためには、チャンスを掴むことができる準備を早い段階から進めていくことだ。きっとこの話は生徒や保護者に響いてくれるのではないだろうか。