税理士がサポート!『はじめて起業ものがたり』 「起業って何から始めればいいのか76 ティーチングとコーチングの使い分けと効果」

【このお話では、サラリーマンを続けていた40歳の松平はじめが、起業に挑戦し、税理士からアドバイスを受けて、成果を出すための大切な気づきをいろいろと得ていきます】

 

今回のポイント
 問題解決の方法は自分自身に気づかせる 

 

 

燃え尽き症候群の生徒の心のケアは、とてもデリケートな対応になるため、細心の注意が必要になる。絶対にNGなのは、闇雲に「勉強しなさい!」、「やる気出せ!」、「もっと頑張れ!」という声がけ。これは相手をより追い詰める結果になってしまい逆効果だ。

 

手法としては、日ごろ授業で新しい単元を教えるような「ティーチング」よりも、相手の話に耳を傾けて気づきを生み出す「コーチング」が有効となるだろう。これを人生経験が豊富ではない学生アルバイト講師に任せるのは酷な話である。

 

 

日常的に人に何かを教える立場にある者は、どうしても自分の考え方や価値観などを伝えることに懸命になってしまい、相手の話を聞くことが疎かになるものだ。最悪なケースだと、自分の意に反する考え方に対しては一方的に否定し、相手に自分の考えを押しつけることにもなる。講師はこれを無意識で行っていることが多いので、コーチングに切り替えるよう指示してもそう簡単にできることではない。

 

つまり今回のケースは、より経験豊富な自分が生徒一人ひとりと面談を行い、対応していく必要があるということになるということだ。ただ、私もコーチングの協会のセミナーなどに参加してライセンスを取得しているわけではないので、これまでの経験と知識を使ってコーチングのようなことを行っていくしかない。

 

コーチングに必要となる根幹は信頼関係だ。聴くことがコーチングだと言っても、相手が信頼してくれていなければ心を開いて話はしてくれない。まずは信頼関係の構築が絶対に必要になるわけだが、その点はこれまで一緒に取り組んできたので心配はない。

 

後は、

 

「徹底的に聴く」ということと、

 

「効果的な質問を投げかける」というになる。

 

相手の話はどんな内容であっても否定はしない。

 

必ずまずは受け止める。

 

これをコーチングでは「傾聴」と呼んでいるが、しっかりうなずきながら、相づちを適度に入れながら話を聴くことができればいい。相手に自分の話が受け止められると、そこで承認された気持ちになり、心に余裕が生れてくる。そうなると思っていることや日ごろ悩んでいることも話やすくなるだろう。

 

コーチングの鉄則は、こちらから答えを提示することはしないということだ。答えは相手の中にある。だから答えを持たない経験値の低い相手にはコーチングの効果は薄い。今回は部活に情熱を注ぎ、目標を掲げて全力を尽くしてきた生徒だから、「今なにをすべきなのか」、「目標に向けて努力することの楽しさ」、「ポジティブに取り組むことの重要性」など実は本人もわかっている。それが何らかの壁によって気づけていない状態なのだ。

 

人は自分で問題について話をしているうちに

 

自分で解決策に気づくことがよくある。

 

話をすることで自分の考えが整理されるからだ。

 

だから傾聴だけでも、

 

問題を解決するための

 

気づきを生み出す可能性がある。

 

ここに効果的な質問を入れられたら、気づきの可能性はさらに高まるだろう。「どうしてそのような気持ちになっているのか」、「どういう自分になりたいのか」、「そのために何をしていった方がいいと思うのか」、ゆっくりと質問し、それをまた傾聴する。そうすれば必ず有効な解決策が見つかり、しかも能動的に解決の方向へと動き出せるはずだ。

 

今回の個人面談を前に、顧問税理士の天海さんからはひと言アドバイスをもらっている。コーチングの第一人者として有名なアンソニーロビンズ氏の言葉である。

 

壁を見るな。

 

進みたい方向を見よ

 

この言葉を胸に、しっかりと生徒の声を聴こう。

 

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