コラム



税理士がサポート!『はじめて起業ものがたり』  「起業って何から始めればいいのか 160 組織を成長させるためのチームビルディング①」

 

今回のポイント
 プロジェクトの重要性を共有 

 

 

塾業界は11月から4月にかけて繁忙期だが、実は夏休みにかけての7月・8月といった期間も夏期講習会やその募集活動で慌ただしい。

さらに9月・10月も受験を控えた小学6年生や中学3年生にとって重要な時期になるため、その対応にかなりの手間暇を割くことになる。

そう考えてみると、余裕のある時期は新年度が始まった4月中盤以降から6月にかけてしかない。

 

だからこそこの時期くらいはゆっくりしたい、というのが多くの塾講師の素直な感想だろう。

 

もちろん私も大手進学塾の一講師として働いている頃はそうだった。

むしろそんなゆったりできる時間を過ごすことを目標にして、超多忙な時期を乗り切っていた覚えがある。

「早く休みが来ないかなー」といった心境だ。

 

しかし今は違う。

経営者として自分の学習塾を起業したからにはのんびり過ごす時間など必要はない。

余裕のあるこの時期だからこそできることがあるはずなのだ。

 

 

ということで私は2年後の中高一貫校受験で難関校への合格者を輩出するためのプロジェクトを開始した。

そしてこのプロジェクトを進めていくにあたって、「チーム」を編成していくことも考えた。

難関校合格のためにはいろいろアイディアを出し合い、話し合い、実行する試行錯誤が必要で、スタッフ全員で行うとすると多すぎて支離滅裂になりそうだったからだ。

 

チームは私の他にあと4名。

当初は学生アルバイト講師筆頭の石川と新人の井伊の2名と私でいけると思ったのだが、先のことも考慮すると石川の今後(就職先)が未知数のため、仮に石川が不在になってもプロジェクトを進行し続けられるようにあと2名増やすことにした。

 

増やした2名は完全にオンライン部門の講師で、私の学習塾自体に来たこともないし、直接会ったこともない。

それで運営上問題がないのかというと、会議はリモート形式だし、レッスンもオンラインなので支障がない。

 

ちなみに石川、井伊の他の2名は、愛知県在住の大久保という28歳の男性と、滋賀県在住の春日という33歳の女性で両名とも塾講師経験がある。

 

今回のプロジェクトについて、私は顧問税理士の天海さんに報告した。

 

「ほう、チームを編成するのか。知名度向上のための難関校合格者輩出計画というわけじゃな」

 

「ノウハウがまったくないわけではありませんので、2年をかけてじっくり取り組めば可能だと考えています。井伊は新人ですが、長い目で見て、プロジェクトを推進していくための柱になってもらうため選びました。大久保、春日というオンライン講師は難関校受験対策の経験者なので参考になる意見はたくさん聞けると思います。チームリーダーは信頼できる石川にする予定です」

 

「これまでの実績を鑑みると石川さんはチームリーダーとしての資質があるし、十分責任を果たしてくれそうじゃ」

 

「はい。小数精鋭チームなのでまとめるのもそこまで難しくないかと」

 

 

「とても良いアイディアじゃが、そう易しくはないぞ。実際に会うことがないという点も良好な関係構築という面でやや不安じゃの。前漢の時代に編纂された淮南子にも、

 

千人心を同じくすれば

 

即ち千人の力を得。

 

万人心を異すれば

 

即ち一人の用無し

 

とある。心を同じくせねば力は発揮されぬぞ」

 

「心がバラバラではチームとしての力は出せないということですね」

 

「知名度向上のための取り組みという意義では、企業利益を求めるだけの仕事と受け止める者も少なくない。それぞれ目標の重要性の解釈が変わってくるじゃろう。一丸になるためにも活発なコミュニケーションの機会は必要じゃが、

 

さらにこのプロジェクトの深い部分の意義、

 

企業利益以外の大切な要素を

 

チームで共有していくことが肝心じゃ

 

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