※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
ショウ「いよいよ2020年も残すところ、11月と12月の残り二ヶ月か。ここまで本当にあっという間だったな。振り返ってみると、驚くようなことがとても多かった一年でもあった」
マモル「そうですね。なんと言ってもコロナ禍です。世界を大きく変えてしまいました。しかも欧米では第二波、第三波がかなり問題になっています。北海道でも増えてきていますし、コロナ禍は2021年にかけての冬の時期も要警戒ですね」
ショウ「withコロナ、どうやってこのコロナ禍に適応したビジネスを構築していけるかは、企業間で今後さらに大きな差になっていくだろうな。経済は厳しさを増すかもしれないが、必ずしも衰退していくわけではない。危は機だ。ピンチはチャンス。ビッグチャンスだってある」
マモル「今回の鬼滅の刃の映画は、公開半月ですでに1000万人動員して、100億円を余裕でクリアしてきています。史上最高額の興業収入になる可能性すらあるそうです。この状況下で、この記録は凄いですね。世界中のメディアが驚愕して注目していますよ」
ショウ「もちろん。アニメから劇場版との繋がりといった戦略も大成功だったし、VOD(ビデオ・オン・デマンド)の浸透で誰もが気軽にアニメを振り返って観ることができるような環境も大きいだろう。外出自粛で、自宅でTVを観る機会は増えていたから、さらに鬼滅の刃ファンは増えていった。追い風をつかむのも実に上手かったな」
マモル「映像も素晴しく、声優陣もプロの精鋭を集めていてアニメファンの心をがっちり掴んでいますね。そして何より鬼滅の刃の話が素晴しい。心を揺さぶるメッセージが感動を呼んでいます」
ショウ「あれ? マモル、鬼滅の刃観たのか?」
マモル「そ、そうですね。とりあえず映画を観に行ってきました。妻が大ファンだったことを最近知りまして……」
ショウ「いきなり映画から観てもわからないだろう。あらすじも何もないからな。アニメをしっかり観てきたファンの期待に応える作りになっている」
マモル「そうですね。頭がなぜイノシシなのか? 可愛い女の子はなぜ竹を咥えているのか? その他にも疑問は多々ありましたので、映画を観た後で妻からいろいろ説明を聞きました。知らなかったことは多かったですが、楽しめましたよ」
ショウ「そうなのか。ちなみに心に残ったフレーズはなんだ?」
マモル「改めて漫画を1巻から読んでいる最中ですが、8巻66話の嘴平伊之助の言葉ですね。僕はクライアントや従業員といった周囲の期待に思うように応えられていなかったので、この言葉は響きました」
ショウ「おお、ちょうど映画にもあった場面か。
『なれるかなれねぇかなんて、
くだらなねぇこと言うんじゃねぇ!!
信じると言われたなら、
それに応えること以外考えんじゃねぇ!!』
という言葉だな」
マモル「高い目標を掲げても、本当に自分の力でそこに到達することはできるのか。クライアントの期待に応える力を本当に自分は持っているのか。そう悩んだり、不安を感じて動きが鈍くなることがありましたが、この言葉を聞いて、そんなネガティブなことを考えている暇があったら、達成するための努力に少しでも時間を費やすべきだと感じました。前回、先輩から、杏寿郎の『心を燃やせ』というお話をうかがっていましたが、この伊之助の言葉で自分なりの心の燃やし方がわかった気がします」
ショウ「どんな世代にも共通して鬼滅の刃の話が響くのは、そういった人生にとって大事なことを教えてくれるからかもしれないな」