※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
マモル「先輩とランチに出かけるのも久しぶりですね」
ショウ「ここのスイーツが絶品なんだ。コーヒーとの相性も抜群だしな。なかなか出かけるのもはばかられるムードだっただけに我慢してきたが、ようやく食べられると思うと涙が出てくるよ」
マモル「そういえば、昼間のスイーツとコーヒーは昔っからの先輩のルーティンじゃないですか?」
ショウ「ブレイクタイムは必要だよ。午後の仕事への意欲や集中力に大きな影響力があるからな。午前中に大事な仕事を終えたことへの自分へのご褒美も兼ねている」
マモル「なるほど。そういえば、東京と札幌の大丸で冬期限定スイーツを販売していますね。きのとやグループの新ブランドで開発された商品で、このコロナ禍の中、行列ができていました」
ショウ「ああ、スノーサンドだろ。知ってるよ。オンラインでも販売しているんだが、毎日30分で完売してしまっている。北海道産の放牧牛乳を使用した生ホワイトチョコレートをチョコレートコートされていて、それを挟み焼きによって開発されたカリカリのランドシャクッキーで包んでいるんだ」
マモル「先輩、詳しいですね……」
ショウ「新発売されると聞いたときからマークしていた商品だからな。普通はクッキーはオーブンで焼くが、このスノーサンドは15年かけてたどり着いた挟み焼きによってより生チョコレートとの相性が抜群のランドシャクッキーを実現させたんだ。なんとかして食べてみたい一品だよ」
マモル「挟み焼きって、たい焼きみたいな構造ってことですか?」
ショウ「原理は同じらしいが、製造現場の撮影がNGになっているので、製造方法がわからん。しかもそのクッキーの形状が面白く作られていて、横から生チョコレートが漏れにくく、かつたっぷりと詰まっている生チョコレートが鑑賞できるようになっているんだ。そのため最後は手作業になるらしい」
マモル「やはり、そういった独創的な発想というものは、会社がブレイクするには欠かせない要素なんでしょうね。実際にこれだけの世間の反響になっているわけですから、大成功ですね」
ショウ「最初は、なんだその発想って笑われたかもしれないな。チョコとクッキーの相性の定義みたいなものは決まっていたから、それを壊す発想はなかなか上層部には受け入れてもらえなかったかもしれないぞ」
マモル「確かに独創的な発想っていうのは、固定概念を覆すような発想でもありますからね」
ショウ「俺がリスペクトしているマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は、かつて、アイディアについてこう述べている。
『自分が出したアイディアを、
少なくとも1回は人に笑われるようでなければ、
独創的な発想をしているとはいえない』
とね。グローバル化が加速している現代社会では、こういったアイディアを出せる人材、そしてそれを反映し、実現できる組織構造の企業がより大きく伸びていくことになるだろう」
マモル「コンサルタントとしては、そういったアイディアを提供していくことも求められていくのかもしれないですね。新しく入社してくる新人二人にはそういった面も期待しているんですが」
マモル「若さから生れてくる発想というものもきっとあるよ。それを引き出すためには、新人であっても自分の考えや思いを口にできる環境作りが必要だろう。新人の発想なんて現実を知らないからこその妄想に過ぎないと、頭ごなしに潰してしまう先輩職員や上司がいたんでは、新人の意欲はもちろんのこと、目の前にあるチャンスすら簡単に消えてしまうからな」