※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
ショウ「いやいや、外の暑さはもの凄いな。今年はマスクをつけて過ごさなければならないから、余計に苦しいよ」
マモル「お疲れ様です先輩、従業員の皆さんも出社されているんですか?」
ショウ「本格的にはまだだな。フレックス制にしているし、自宅からのリモートワークも可にしているから、全員が揃うのはしばらく先だろう。マモルの会社はどうなんだ?」
マモル「もう少し様子見ですね。ただ従業員は早く出社したいようです。自宅で仕事をしていると公私混同になってしまって、メリハリをつけて仕事をすることが難しいようですね。その点、杉山が心配ですが、奥さんの木梨さんがついているからなんとかなっている感じです」
ショウ「実際にSkypeやZoomだけで顧客と打ち合わせするのも、なかなか難しいようだな。うちの従業員もその点で苦労しているのが何人かいるよ。直接会ったら交渉成立できるはずなのに、オンラインでの営業だからうまくいかないって言い訳しているのもいるからな」
マモル「確かに直接会って話をして好印象を持ってもらって、話を盛り上げていく手法の人もいますよね。オンラインだと伝わりにくいということもあるんでしょうかね」
ショウ「ああ。実際にうまくいっていない従業員とオンラインで話をしてみると、会話中の視点がずれているし、背景もなんだかむさ苦しいし、話が被ることが多くてテンポが悪い。どうもオンラインでの営業のコツをつかめていないようだ。コロナ禍の以前は営業の成績も良かっただけに本人も落ち込んでいるよ。退職するとまで言い始めたからな」
マモル「それは深刻ですね。でも、僕もクライアントから同じような相談を受けることは多くなってきましたね。オンライン化に適応できていない従業員をどうすればいいのか、という内容です」
ショウ「いずれ慣れるだろう。別にそこまでショックを受ける必要はないんだが、これまで成功体験を続けてきているだけに、自分だけ置いていかれているという焦りがある。その焦りがさらに空回りして悪循環になっているように感じたよ。なので、オンライン営業の研修を外部に委託しようと考えている。ある程度研修を受けたら、すぐに適応できるはずだからな」
マモル「それはいい考えですね。そういったサービスを提供する会社も多くなっていますし、遅れをとらないためにも、早めに強化しておいて方がいいと僕も思います」
ショウ「環境が激変して、成果が出せない、失敗が続くとネガティブになっている従業員はどこにでもいるだろう。そんな従業員に対して、経営者がどう向き合うかは大事だろうな。どうすればうまくいくようになるのか、フォローやサポートしていく必要もあるが、失敗を恐れずチャレンジしていくことを促していくことも忘れちゃいけない」
マモル「失敗を恐れず、ですか」
ショウ「南北戦争があった時代のアメリカで、知的文化を先導していたラルフ・ウォルドー・エマーソン氏は、失敗についてこう述べている。
『失敗して、
泥の中を転んだって、
起き上がればいいだけである。
恐れる必要など、
どこにもない』
とね。問題あるとすれば、失敗を恐れて何もしなくなることさ。そうなると失敗もしないが、成功もしない。まずはチャレンジするその勇気と行動力を承認しなければな」
マモル「従業員がネガティブになっている要因は、経営者側にもあるのかもしれませんね。会社自体が失敗を恐れて動けなくなっている可能性もありますし。そこもコンサルタントとしてアドバイスしていくポイントになりそうです」