※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
ショウ「こうやってプロ野球のナイター中継を観ながら、ビールが飲めるのも久しぶりだな。同じビールでも味わいが違うよ」
マモル「そうですね。今年のライオンズは秋山選手が抜けたのが寂しいですが、こうやって普通に応援できているだけでも楽しいです。少しずつ以前の生活に戻ってきている感じもしますから嬉しいですね」
ショウ「しかし、まだこの無観客試合の雰囲気には慣れないな。こういう状態になって初めて球場のファンの熱気が試合を盛り上げていたということに改めて気づいたよ。まあ、昔のパリーグはどちらかというとこんな閑散とした中でプレイしていたんだがな」
マモル「そう言われてみると変わりましたよね。昔のパリーグはこんなに盛り上がっていなかったですもんね。日本シリーズで巨人と試合をして初めて知る選手とか多かったですし。今じゃ、福岡だって、仙台だって、札幌だって何万人というファンが観戦していますから、昔じゃ考えられない盛り上がりですね。どうしてなんだろう?」
ショウ「ただ野球が上手い選手だけ集めて試合していても、ここまでは盛り上がらないからな。地域に密着して、愛される球団作りを地道にしていったからだろうな。いろいろな工夫や努力をしているぞ。選手が学校を回って子どもたちと一緒に給食を食べることをしていた球団もあった。そうして少しずつ地域に浸透していったのが、今日の成果に繋がったんだろう」
マモル「たくさんのファンが応援してくれたらチームも活気づきますし、選手も練習からやる気を出すでしょう。そうやって各球団はそれぞれの個性を発揮して強くなってきたのか。パリーグの成功って、企業が成果を出すためにどんなプロセスが必要なのか勉強するにはとてもいい見本ですね」
ショウ「そうだな。同じ仕事でも、誰がどう取り組んでいくのかで成果は変わってくるし、仕事自体の面白さも変わってくるってことだろう」
マモル「仕事の面白さですか……」
ショウ「まあこれは俺らが応援しているライオンズの強力なライバルのイーグルスの話になるがな、楽天創業者の三木谷浩史氏が成功のコンセプトについてこう述べている。
『面白い仕事があるわけではない。
仕事を面白くする人間がいるだけなのだ』
とね。アフターコロナの世界でどんなビジネスが成長していくのか、まだまだ不透明だが、どんな仕事でも関わる人間次第で盛り上がり方は大きく変わっていくだろう。マーケティングの手法によっては、低迷しているビジネスだって大逆転はありえるからな。大事なのはやっぱり人だよ」
マモル「確かにそうですね。今回先輩と食事ができて、新年度に向けて新人を採用していくうえで、凄くいいアドバイスをいただけました」
ショウ「ああ、大学新卒の募集についてアウトソーシングに依頼していた話か。頓挫しているのかと思っていたが、順調に進んでいたんだな」
マモル「ええ、担当者とはオンラインで何度も連絡を取って、採用者は数名に絞っています。後は僕も直接会ってみて、最終面接といった感じですが、先輩と今日話をしていて、仕事に面白さを求めるのじゃなく、その仕事を自分で面白くしようという積極的な姿勢の若者に来て欲しいと思いました」
ショウ「これからはよりグローバル化の動きが加速していき、競争も激化する。知識や学歴だけじゃなく、そういった何かを生み出そうという創造力もより求められる時代になっていくだろう。しかし、はたしてマモルの会社にどんな新人が入社することになるのか、楽しみだよ」