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名言集コラム123 「鑑真氏に学ぶ・一を聞いて十を知るよりも」

※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。

 

今回のポイント
 インプットとアウトプット 

 

 

マモル「GOTOトラベルキャンペーンに東京も参加できるようになって、かなり行動の範囲が広がってきましたし、自粛ムードも払拭されてきましたね。これで観光業も立て直していけるんじゃないでしょうか」

 

ショウ「そうだな。間違いなく明るい希望だろう。これで海外からの観光客も期待できるようになれば、日本の経済情勢は以前に戻せるようになるんだが。そこまではなかなか難しい状況のようだな」

 

マモル「東京オリンピック開催に向けて、政府としてもポジティブな要素を少しでも増やしていきたいでしょうから、まずは国内の移動についてはリスクが少ないことをアピールしていきたいですよね」

 

 

ショウ「これで大きな問題がなければ次のステップに移行だな。経済が活性化されれば、それだけまたビジネスチャンスも増えてくる。金融緩和も当分の間は続くし、成功を夢見て起業しようという人たちも増えてくるだろう」

 

マモル「ただ、ああすれば成功する、こうすれば成功するといったような情報も氾濫していますね。情報の入手はしやすい世の中になりましたが、溢れかえっていて、逆にどれを優先すればいいのか、どれを信用すればいいのかといった迷いも生れています。情報化社会では新しいトラブルもいろいろ発生しますので、それが足かせになっているケースもあるようです。もちろんそこで的確なアドバイスをしていくのが、コンサルタントとしての僕の使命でもあるんですが」

 

ショウ「電子決済サービスのトラブルが注目されているし、そこにつけ込んだ詐欺行為も横行しているようだが、新しい取り組みをすればそういった問題点が出てくるのは仕方のない話だ。それは今も昔も変わらないな」

 

マモル「ひとつの情報から、だとするとこういったリスクもあるかもしれない、そのためにはどんな手を打つ必要があるのか、といったようにどんどんネガティブな想定が広がっていきますね。それが、情報が増えれば増えるほど広がっていくんです」

 

ショウ「情報や知識を得ていくことはもちろん重要なことだ。リスクマネジメントも同様にな。ただ、一を聞いて十を知ろうとし過ぎない方がいい。世の中には実際に行動してみなければわからないことがあるからな。リスクばかりを考えて行動しなければ気づかないことや、身につかないことは確実にある。失敗して学ぶことだってたくさんあるだろう。大切なのはそのバランスなんじゃないのか?

 

マモル「バランスですか……」

 

 

ショウ「奈良時代に5回の渡航に失敗しながらも執念で日本に渡り、戒律制度を急速に発展させることに成功した人物がいる。唐からの帰化僧である鑑真氏だ。彼はすでに多くのことを学び、戒律の僧として唐でも高名だったが、日本からの要請に応えるために自ら行動を起こした。それこそ命がけの渡海だ。コロナ禍にある現代以上にリスクのある移動だ。両目を失明してもなお日本に渡り、教えを広め、私渡僧により混乱した日本に秩序をもたらせた。彼の言葉には、

 

一を聞いて十を知るよりも、

 

一を聞いて一を実行に移すべきである

 

というものがある。インプットしたら、まずはそれをアウトプットしてみる。それが単なる知識を知恵に変え、本当の成長に繋がっていくということだろう

 

マモル「リスクがあるのは今も昔も変わらないんですね。むしろ昔の人の方が大きなリスクに立ち向かっていたのかもしれません。情報ばかり入手して頭でっかちになってしまっても成果は出せないのか…… 起業を考えている人たちに、勇気を持って踏み出していくことの大切さを伝えていきます」

 

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