※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
マモル「先輩、新年明けましておめでとうございます。2021年も引き続きどうぞ宜しくお願いいたします」
ショウ「マモル、明けましておめでとう。こちらこそ宜しく。しかし、リモートで新年の挨拶ができると便利だな。クライアントにも数件連絡をしたところだが、互いに顔を確認しながらなので、年賀状よりも想いを伝えやすいし、印象にも残りやすい」
マモル「皆さん外出を控えて自宅にいらっしゃいますから、連絡も取りやすいですね。例年のように年始で忙しないという感じでもなく、むしろ話ができて気が紛れたと喜んでくれています」
ショウ「これも新しいビジネススタイルになるのかもしれないぞ。どのクライアントも、年が明けて、気持ちを新たに頑張ろうととても良い表情をしていた。それを見たら、俺もさらに頑張らねばと気合いが入ったよ」
マモル「どんな一年になるのか、期待でワクワクもしますが、やはり少し不安も感じます。コロナ感染は終息するのか、日本のオリンピックはどうなるのか、世界経済はどうなるのか……」
ショウ「気にはなるが、まずは自分のできる範囲のことからだろ。マモルの会社の目標はどうなんだ?」
マモル「顧客満足をこれまで以上に高めていきます。そのためにも、さらに自分たちの力を一点に集中できるよう、外部委託を有効活用し、サービスの向上と共に、有限な時間を効率的に使っていきます。これまでもホームページや、お客様の掘り起こし、従業員の人材募集などでもアウトソーシングを利用していましたが、今年はもっと幅広くいきたいですね」
ショウ「売上だ、純利益だ、って具体的な数字が目標として出てこないところが、マモルらしいな。新人がふたり入るんだろう? まったく即戦力にはならないと思うが、そこで時間を費やしてしまうんじゃないのか?」
マモル「そちらも極力、外部委託で研修などを行っています。ただ、直接的な関わりは重要な部分ですから、ここは必要な時間として確保しているところです。焦る気持ちもあるのですが、僕の会社の将来のエース候補ですから、じっくりと育てていきますよ」
ショウ「はたして新人ふたりはマモルの会社の救世主となれるのか、はたまた、とどめの一撃を刺すことになるのか」
マモル「先輩、そんな意地悪なことを言わないでください。僕だって、杉山と木梨さんに、新人ふたりで大丈夫なのかと不安に感じてはいるんですから」
ショウ「ハハハ、冗談だよ、冗談。ただ、実際のところ3年はこのふたりの人件費については赤字だろうな。成果を出して、会社の救世主になれるのは4年後くらいか。そこまでは杉山くんの営業力と、マモルの経営手腕にかかっているな」
マモル「わかっています。このコロナ禍同様、まだしばらくは辛抱の時期です。より質の高いサービスを、より多くのお客様に提供できる日を目指して、我慢強く経営していきます」
ショウ「ついに300億円の映画興業売り上げを更新し、日本の歴代第1位となった鬼滅の刃だが、作者の吾峠呼世晴氏は、最終の23巻が発売される昨年の12月3日、朝日新聞や読売新聞、日経新聞などの各新聞紙上でこう伝えている。
『夜は明ける。想いは不滅』
コロナ感染もワクチンの接種が始まり、沈静化する光が見えた。夜は必ず明ける。大切なのは、厳しい中でも想いを持ってひたむきに努力し続けられるかどうかだろう。年は明けたが、未だ世界は夜の闇の中だ。まだまだ困難は待ち受けているだろうが、マモルの想いがあれば、きっと道は拓ける」