※これは独立したての経営者であるマモルと先輩経営者のショウの物語です。
ショウ「今年ももう年末かー。思い返すといろいろあったけど、あっという間だったなー。マモルはどうだ? 激動の一年だっただろ」
マモル「そうですね。あっという間に過ぎたような気もしますけど、一ヶ月がとてつもなく長く感じた時間もありました。何かを始めるということは、時間の流れも変わるんですね」
ショウ「まあ、慣れもあるんだろうけどな。だいたいタイムメネジメントが乱れている期間は、長く感じたり、逆に極端に短く感じたりするものだよ。それだけ大変な出来事やハプニングが発生しているってことだからな」
マモル「先輩のおっしゃる通りですね。予想外の事が起こると、バタバタして先の見通しもたたないので、一日24時間しかないのかーって恨めしく思えた時もありました。それとは正反対に、会社の人間関係がギクシャクしていた頃は、雰囲気は暗いし、テンションは上がらないし、時間が経つのは遅いしで散々でしたね」
ショウ「楽しい時や忙しい時はあっという間、辛い時や落ち込んでいる時は永延と感じるものさ。でもマモルは経営者として成功していかなければならない。そのためには時間を制することができるようにならなければならないだろうな」
マモル「時間を制する、ですか?」
ショウ「あっと言う間に感じるのも、永延と感じるのも、マモルの意識次第だからな。楽しいと思えば速い。辛いと思えば遅い。明るい未来がやってくるのを待つのはじれったいが、締め切りに追われた日々は恐ろしいほど速く過ぎ去る。そんな時間とどう付き合っていくのかが経営者として問われていくのさ」
マモル「辛いと感じる時間をどう有意義に使えるのかってことですか?」
ショウ「それもあるだろうな。アメリカの歌手・ヴィヴィアン・グリーン氏の言葉には、『人生とは嵐が過ぎ去るのを待つことではない。雨の中で、どんなふうにダンスをするかを学ぶことだ』というのがある」
マモル「人生とは雨の中でどうダンスするのかを学ぶこと。落ち込んで長く感じる時間こそ、どう利用していくのか工夫が必要というわけですか」
ショウ「四苦八苦の状態だったけど。マモルはそんな雨の中で、どんなダンスができるのか試行錯誤していたように見えたぞ。マモルは時間と上手く付き合っていくセンスがあるのかもしれないな」
マモル「そうでしょうか…… いつも相談に乗っていただいている先輩からのお言葉ですから、ありがたく頂戴します」
ショウ「忙しくてあっという間に過ぎ去っていく時間も、大切にしていく必要があるだろうな。気が付くと過去になっていき、そして忘れ去られていく。しかし、その中にも改善していくための反省材料は眠っているからな」
マモル「そうか、だとしたらどう時間の流れを感じたとしても、現在としっかりと向き合い、常にそこから学んでいくといった姿勢が重要なんですね」
ショウ「ドイツの詩人で劇作家でもあったドイツの古典主義者、ヨーハン・クリストフ・フリードリヒ・フォン・シラー氏の言葉によると、『時の歩みは三重である。未来はためらいつつ近づき、現在は矢のようにはやく飛び去り、過去は永久に静かに立っている』だそうだ」
マモル「過去は永久に静かに立っている、か…… なんだかプレッシャーを感じる言葉ですが、僕は、今できることにとにかく集中すべきだ、と解釈しました。未来も過去も直接変えることはできない。自分の力で変えられるのは、今この瞬間だけですからね」
ショウ「時間を制する者は、人生を制するそうだ。この一年の経営者としての経験がマモルを大きく成長させたようだ。来年のマモルは大活躍するかもしれんな」