※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
今回のポイントは、『節税する際のポイント』になります。
ショウ「顧問税理士から聞いたぞ、マモルまた何かするらしいな」
マモル「え? あー、あのことかな。顧問税理士さんと節税の話になったんですよ。例えば100万円の利益があったとして、税率30%だとすると手元に残るのは70万円じゃないですか。なるべく税金は多く払いたくないから、経費を20万円使えば、利益は80万円になる。すると支払う税金は24万円になります」
ショウ 「まあ、マモルの言いたい事はわかるが、それだと手元に残るお金も56万円だから、6万円節税できても、手元のお金は14万円減ったことになるぞ?」
マモル「そうなんですよ。節税できてもキャッシュ自体が減ってしまうんです」
ショウ「あまり意味のない節税だな。それがどうしたんだ?」
マモル「ただ、その経費を意味のあることに使えば、キャッシュが減っても節税にもなるし、会社の発展にも繋がります」
ショウ「それはそうだな。それで何かするわけか。使い途は広告宣伝費ってところか? 検索サイトにでも登録するのか」
マモル「それも考えたんですが、もっと即効性のあることにしました」
ショウ「即効性? ホームページもアウトソーサーに依頼してリニューアルしたばかりだろ、ネット以外の媒体で強力にアピールする方法があるのか?」
マモル「外部に対しては使いません」
ショウ「ああ、電子機器関係を買い替えるのか。設備投資だな」
マモル「内部への投資ですが、ハード面ではありません」
ショウ「また研修に従業員を参加させる気か?」
マモル「いえ、みんなでゆっくりとコミュニケーションできる時間を作ります」
ショウ「なんだ、新年度の飲み会の開催かよ」
マモル「慰労をかねた社員旅行を計画しているんです」
ショウ「社員旅行? それはそこそこ経費がかかる話だな。でも、それのどこに即効性があるんだ?」
マモル「気分転換をしながらたくさんコミュニケーションできれば、みんなのモチベーションは高まるでしょう」
ショウ「気分転換にはなるだろうが、モチベーションアップにまで繋げるのは難しいだろ。コーチングの研修会に参加するわけじゃあるまいし」
マモル「ですから、コーチングの要素も採り入れた社員旅行を計画しているんです。自分自身の何かしらの問題に気づくきっかけになるかもしれませんし、それを解決することができるかもしれません。そこまで至らなくても、悩みを軽減するだけでも効果はあるんじゃないかと」
ショウ「なるほどな。そうか、そういえば顧問税理士からエルバート・ハバード氏の話を聞いたことがある。アメリカの作家であり、教育者さ」
マモル「そうなんです。実は僕も顧問税理士さんのお話を聞いて思い立ったんですよ。
『悩みは仕事よりも
多くの人を忙殺する。
なぜなら、多くの人たちが、
仕事よりも悩みと
格闘しているからだ』ですよね」
ショウ「仮に単なる気分転換じゃなく、従業員の悩みを少しでも軽減できるのだったら、従業員のパフォーマンスは発揮しやすくなるだろうし、会社自体も活性化されるだろうな。新しいアイディアが生まれるかもしれないし、そういった能動的な活動が見られるようになるかもしれない」
マモル「ですよね。後はそういった時間をいかに自然に作っていくかということなんですよ。そのために橋本さんに旅行計画の立案をお願いしています」
ショウ「従業員の数が少ないからこそ効果的にできるのかもしれないな。どんな結果になるのか俺も興味が出てきたよ。俺もマモルの会社の相談役として貢献してきたんだから、ぜひ参加させてもらおうか」
マモル「先輩、今回は勘弁してください」