※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
マモル「先輩、僕を含めて4人しかいない会社で、2人が10日間新婚旅行に出かけて抜けても、新しく依頼される仕事を断らずに進めていく方法なんてあるんですか? もしかして、残った僕と橋本さんが1日20時間働くというアイディアでは?」
ショウ「働き方改革だ、残業ゼロだとブームのようになっているこのご時世に、そんな方法を提案するわけないだろうが」
マモル「うーん・・・・・・ しかし、そんなうまい方法が他にありますか?」
ショウ「ああ、レンタル移籍だよ」
マモル「レンタル移籍? あのプロサッカー界でよく見るレンタル移籍ですか? 期限付きで他のチームに移って、期限が来たら元のチームに戻るという」
ショウ「そうだよ。そのレンタル移籍だ。実はビジネスシーンにも採用されているんだよ。大企業から、スタートアップのためレンタル移籍を活用して即戦力の人材を起用している中小企業も多い」
マモル「なるほど、即戦力の人材をレンタルできるんだったら助かりますね」
ショウ「移籍したビジネスパーソンも経験を積んだりスキルアップできるから、ビジネスパーソンにとっても、レンタルした側もレンタルされた側もWin-Winの関係になれるのさ」
マモル「でもどこに相談すればいいんですか?」
ショウ「もちろん仲介業者もあるが、今回は大事な後輩の頼みだからな。特別に俺が仲介するよ」
マモル「先輩が紹介してくれるんですか? レンタルしてくれる企業を?」
ショウ「ああ、そうだ。ただし、レンタルするのは俺の会社からだがな」
マモル「え!? 先輩のコンサル会社の従業員をレンタルするんですか? それで先輩のところは問題なく仕事が回るんですか?」
ショウ「即戦力とは言っても、重要な案件を抱えている従業員をレンタルするのはさすがに無理だが、ちょうどスケジュールに空きが出ているのが2人いるんだよ」
マモル「ちょうどピッタリの人数ですね。いったいどんな従業員なんです?」
ショウ「・・・・・・ そうだな、まあ、何というか、力はあるんだが、うまくコントロールできていない2人なんだ。マモルのところに修行に出して鍛え直したいと考えていたところなんだよ」
マモル「力はあるけど発揮できていないということですか」
ショウ「そうだな。社内では、仕事のできない人間というレッテルを貼られている」
マモル「え・・・・・・ そんな感じなんですか。仕事ができないってどういうことですか?」
ショウ「アメリカの出版業界で活躍したサイラス・ハーマン・コッチュマー・カーティス氏の言葉には、
『仕事のできない人間は
2種類に分けられる。
言われたことができない人間と、
言われたことしかできない人間だ』
というのがある。まさにそこに該当する2人だな」
マモル「先輩、大丈夫なんですか? 要するに常に受け身で働かされているってことですよね。自主性や積極性が不足しているというのは、ビジネスパーソンにとっては致命的では」
ショウ「うん、まあ、そういうことだな。ただし、マモルのようなリーダーが上手に関わっていくことで、間違いなく戦力になる2人なんだ。そこはマモルの育成の才能でなんとかしてほしい」
マモル「先輩、そんなことを言って、僕を研修係にしようとしているんじゃないですか」
ショウ「恥ずかしい話、なかなか一筋縄ではいかなくてな。マモルの協力を期待してるんだよ。サービスで、事前の1ヶ月は無料レンタル期間にするからさ。そこから1ヶ月でも半年でもこっちとしては問題ないぞ」
マモル「・・・・・・ さすがに半年間も新婚旅行してないですよ」