※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
マモル「こうして先輩と一緒にゴルフのラウンドをするのは久しぶりですね」
ショウ「2020年になって、年度末ということもあってバタバタと忙しかったからな。しかも2月からは新型ウィルスのせいで大混乱だ。外出も自粛ムードだが、こうやって感染のリスクの少ない屋外の広々とした場所で、他人と濃厚接触することなく気分転換するにはゴルフはピッタリだよ」
マモル「世界中であらゆるイベントが自粛されていますが、かといっていつまでも家の中に籠もっているのも気分が滅入りますしね。こういった息抜きは必要だと僕も思います」
ショウ「気温も上昇して、開花宣言も出て、すっかり春めいてきたからな。ただ、その天候もここまでのようだな。今日はここから先はあいにくの雨模様だ。暖かな日差しの下でプレーしたかったんだが……」
マモル「そうですね。あいにくのコンデションですから、スコアの善し悪しは気にしないでゴルフを楽しみます」
ショウ「なんだマモル、始まってすぐにもうスコアが悪いことを予想しての言い訳か？」
マモル「いや、そういうわけではないんですが。ここしばらく運動もしていないですし、この寒さだと球も飛ばないでしょうから、スコアを期待するだけ無駄かなと割り切っていきます」
ショウ「まあ、この環境でベストスコアを出すというのは困難な話だろうな」
マモル「会社の方もこんな環境なので、今月、来月と売上も期待していません。終息すれば売上も戻るでしょうし、そこまでは我慢して待ちますよ」
ショウ「ビジネスの話か。ただ、いつ終息するかはわからんぞ。そこが大きな問題だ」
マモル「降り止まない雨はない、と言いますからね。それまでの辛抱です」
ショウ「じゃあ、今日のゴルフも雨が止むまで待つとするか？」
マモル「でもネットの天気予報じゃ、午後もずっと雨が降り続くみたいです。おそらく今日一日、こんな感じじゃないでしょうか」
ショウ「そのようだな。がっかりした気持ちにもなるが、ゴルフは自然と触れ合い、自然に立ち向かう競技だ。そこが面白い。天気が悪いのもそういった要素のひとつだろう。逆に考えれば、今日は雨のときに良いプレーをするためのコツを学ぶにはいい機会だと言える」
マモル「さすが先輩、ポジティブですね。そういった発想であれば雨が止むのを待つ必要はないですね。むしろ今がそのチャンスですか」
ショウ「そうなるな。これは、アメリカフィラデルフィア出身のR＆Bシンガー、ヴィヴィアン・グリーン氏の影響だよ」
マモル「誰ですか？ 聞いたことのない歌手ですね」
ショウ「まあ、日本じゃあまり知名度は高くないがな。彼女は
『人生とは
嵐が過ぎ去るのを待つことではない。
雨の中で、
どんなふうにダンスするのかを学ぶことだ』
と述べている。ビジネスもゴルフも常にベストコンデションで臨めるものではない。だからといって縮こまっていたんじゃもったいないだろう。その状況、状況に合わせてベストを尽くすことで、学べることがたくさんあるし、それが後の大きな成功に繋がる可能性もあるからな」
マモル「なるほど。この環境だからこそ学べることもあるのか…… そう考えるとやはり家の中でじっとしているだけなのはもったいないですね。それはビジネスにもゴルフにも同じ事が当てはまるのかもしれません。じゃあ、今日は目標を変更して、この環境の中でどんな工夫をすればいいショットができるのか、どんなことを意識していけばパーであがれるのか勉強しますよ。先輩、早速続きを始めていきましょう！」
