※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
マモル「先輩とこうしてバーに飲みに来るのも久しぶりですね。あれからコロナショックでいろいろあったから、前回のことが遠い昔のように思えますよ」
ショウ「実際のところコロナ禍が収まったわけじゃないからな。こうして最善の感染対策をしてようやく美味しいウィスキーを1・2杯飲んでいられる状態だ。以前とはまったく違うぞ」
マモル「そうですね。しかも感染者はまた増えていますから大変ですよ。ただ、経済活動も止められない。感染対策をしつつ、仕事もするという両輪を本格的に回していく時代の到来ですね。withコロナとわかってはいても、実際に対応となると戸惑うことばかりです」
ショウ「我々のコンサルティングファームも、withコロナという大改革の大波に飲み込まれてもがいているところだからな。マモルの会社はここ数ヶ月の経営状態はどうなんだ?」
マモル「かなり厳しい時期もありましたが、国の補助対策のおかげでなんとか。やはり会社をたたむ決断をしたクライアントも出てきましたが、コストカットやポートフォリオの再編などを提案して、この苦境をなんとか乗り切るべくサポートしている最中です」
ショウ「そうか、ということは、マモルの会社の顧客はあまり減っていないということか」
マモル「減ってはいます。減ってはいますが、予想以上にこらえられていると顧問税理士さんもおっしゃっていました。さらにここ最近は新規のクライアントも増えてきているんです」
ショウ「このタイミングをチャンスと考えて新規参入するビジネスパーソンもいるわけだ」
マモル「そうですね。新規のクライアントと話をしていて共通点に気がついたんですが」
ショウ「ほう。なんだその共通点は?」
マモル「あのー、これは自画自賛になってしまうのですが…… ここまで僕の会社が行ってきた手厚いサポートや、意外性のある提案などの評判がよくて、その話を聞いた別の経営者が、こういう時期こそ大手よりも細かな対応をしてくれるファームがいいと、僕のような小規模な会社を選んでくれたようです」
ショウ「なるほど。確かにそれは自画自賛だな」
マモル「恐縮です……」
ショウ「しかし、それは本当にここまでマモルが粘り強く取り組んできた結果だろう。諦めずどんなときでも反省を活かしながら工夫してきたからな。そういった姿勢はこのwithコロナの時代ではさらに貴重なものになっているんじゃないのか」
マモル「顧問税理士さんにも同じことをおっしゃっていただきました。そこが僕の会社の最大の長所だと」
ショウ「まさにこういう状況だからこそ、今のマモルのような自画自賛は大切なのかもしれない。アメリカで経営者としてビジネスに携わり、そこから得た教訓で自己啓発作家となったジェリー・ミンチントン氏は、著書の『うまくいっている人の考え方』でこう述べている。
『自分の長所と自分の人生で、
恵まれている部分にいつも意識を向けよう。
そうすれば、長所はさらに磨きがかかり、
恵まれている部分はよりいっそう大きくなる』
とね。そのためにはまず自己分析、自分の長所をしっかりと把握しておく必要があるからな。ついつい現状の厳しさに注目してしまったり、悪い未来を想像しがちだが、その前にまず自分のポジティブな面に目を向けることが先決だよ。そこから頑張ろうという力や、新しいことにチャレンジしようという意欲が湧いてくるからな。そういったマモルの姿勢がクライアントにも良い影響を与えているんだろう」
マモル「先輩にまでそう褒めていただけると、余計調子に乗りそうです」