※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
ショウ「霜月も下旬となると夜はすっかり冷え込むな。こういうときは、日本酒の熱燗に限るよ」
マモル「私もいただきます。あー!! 美味しいですね。日本酒はいろいろな味わい方ができていいです」
ショウ「大吟醸は冷酒に限るとはよく言うがな。熱燗は熱燗で楽しめる。そういえば独立した橋本さんはどうしてるんだ? あの人は日本酒好きだっただろう」
マモル「ええ、僕の会社から外注させてもらっています。まだ新人も正式採用にはなっていませんから人手不足ですし、橋本さんはクライアントの信頼度も抜群ですから、持ちつ持たれつの関係ですね」
ショウ「なるほど。コンサルタントの実務もアウトソーシングを導入しているってことか。しかし、それだと中間マージンがかかるからコンサルティング料は割高になるんじゃないのか?」
マモル「そこは利益が下がってもいたしかたないと割り切って、料金は上げていません。実際に僕と杉山だけでは回っていないので…… ただ、杉山はこういった状況には納得していないようで、辞めていった人には頼りたくないようです。早く新人を育てたがっていますが、なにせまだ相手は大学を正式に卒業もしていませんから、そこまで時間はかけられていません」
ショウ「新人の研修もアウトソーシングを利用しているのか?」
マモル「はい。とても新人の育成まで手が回らないですよ。かなりきっちり研修してくれるところが見つかったので、お願いしています。こちらの意向も伝えているので、ニーズを満たしてくれる人材育成をしてくれるはずです」
ショウ「ホームページの更新や、SNSの拡散、人材募集と営業に人事にほとんどのことをアウトソーシングを利用していることになるんだな」
マモル「本当に自分のやるべきことに集中できますし、専門性の高い内容は、依頼した方が成果は出ます。今後も効果的にアウトソーシングを利用していくつもりです」
ショウ「特にこのwithコロナの時代を乗り切るには、多くの力を結びつけて立ち向かっていくことが重要だろう。ひとりの力は限られているからな」
マモル「効率性だけではなく、それがいろいろな分野で働いている人たちを盛り上げると思います。コロナ禍で低迷している日本経済を活性化させるためにも必要なことではないでしょうか!」
ショウ「自分だけが儲けたいという思惑ではないということだな。鬼滅の刃がこれだけ日本や世界に受け入れられて、共感を呼んでいるのは、そういった利他的な思いや行動が強いからかもしれない」
マモル「利他的…… ひとのためにということですか?」
ショウ「ああ。自分の家族のほとんどを鬼に殺された竈門炭治郎だが、己の復讐のために刃を振るっているわけではない。6巻47話で、炭治郎ははっきりとこう宣言している。
『俺と禰豆子は鬼舞辻無惨を倒します!!
俺と禰豆子が必ず!!
悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!!』
自分と同じ悲しみをひとに味わわせたくないという強い思いが炭治郎にはある。もし復讐のためだけに戦っていたのであれば、ここまで多くの人々の共感を得ることはできなかっただろう。そうなると、ただただ陰惨な話だ。炭治郎の行動がひたむきに利他的だからこそ、惹かれるし、感動するんだ。そしてどこまでも強くなれる可能性を感じる」
マモル「冬になってさらにコロナが猛威を振るう中、これを乗り越えていくためには、自分だけは生き残りたいという思いでは無理なのかもしれないですね。利他的であることが日本国民のアイディンティティーの一部なのだとしたら、日本の経済はここからまた巻き返していけそうです」