コラム



税理士がサポート!『はじめて起業ものがたり』  「起業って何から始めればいいのか 132 アピールポイント強化のためのパラダイムシフト」

 

今回のポイント
 既存の固定観念を破る 

 

【このお話では、サラリーマンを続けていた40歳の松平はじめが、起業に挑戦し、税理士からアドバイスを受けて、成果を出すための大切な気づきをいろいろと得ていきます】

 

 

2023年も残り3ヶ月を切った。

毎年のことではあるが、ここから来年の4月までの塾業界は怒濤のように過ぎていく。

様々な出来事が待ち構えているのだが、その中で最も注目されるのが「受験」、「志望校合格」である。

中学受験は12月末から始まるし、高校受験は3月実施。

どちらももちろん重要だが、中学受験が都内であるのに対して、高校受験は地元だ。

私の学習塾の場合、地元の志望校合格の方がニーズが大きい分だけ周囲に与えるインパクトも大きい。

 

 

なにせ昨年は23人の中学3年生全員が合格を勝ち取り、これが大きな評判となっている。

4月スタートこそ手こずったものの、夏明けに挽回できたのは、やはりこの実績のおかげだ。

 

それでも今年度は2学期スタート時点の中学3年生塾生数は11人。

巻き返したとはいえ数は昨年の半分以下。

昨年はなにせ女子バレー部が核となってくれて、頑張り屋の仲間たちを引っ張ってきてくれた。

自然と切磋琢磨できる環境が整っていた。

しかし、今年はそういった核がない。

みんな繋がりの薄い中学3年生で、互いに意識するという雰囲気もなかった。

ただし、講師に言われたことはしっかり取り組むので、安定して成績は上がっている。

タイプはまったく違うが努力はできるので、おそらくこの生徒たちも全員合格できるはずだ。

 

問題は塾生数が11人と少ないので全員合格してもインパクトに欠けるという点だ。

明らかに昨年よりもスケールダウンした感じが伝わってしまう。

 

この件について顧問税理士の天海さんに電話で相談をしてみた。

 

「まだ冬の講習会があるのじゃから、そこで増やせばいいのではないのか?」

 

「それが、中学3年生の冬の時期は入塾をお断りしているんです。残りわずかな期間を考慮すると責任ある指導ができないですからね。大手の進学塾だと中学3年生の10月からすでに入塾を断っているケースもありますよ」

 

「ほう、そういったものなのか」

 

「受験は試験範囲がかなり広いですからね、残り1ヶ月、2ヶ月で伸ばすことは厳しいです。もしそこで伸びて合格できるのだったら、来年以降は4月からスタートではなく、ギリギリの12月まで待って入塾するケースも出てくるでしょうしね」

 

「なるほどの。しかし、同じ合格でも上位合格とギリギリ合格では、高校に入学してからの対応が変わってくるじゃろう。進路指導の先生の熱も変わってくるし、将来の選択肢も広がる。その点はどうなのじゃ?」

 

「確かにそうですね。ギリギリ合格を目指す生徒ではなく、上位合格を目指しているような生徒であれば、冬の時期に入塾しても合格は勝ち取れますし、さらに上を目指す視点で頑張ってくれそうです」

 

 

「冬の時期に中学3年生を入塾させてはいけないという固定観念が、もしかすると余計な縛りになってしまっているのかもしれん。相対性理論で有名なアルベルト・アインシュタイン氏は、

 

常識とは18歳までに身につけた

 

偏見のコレクションのことをいう

 

となかなか過激な言葉を残しておる。見方や価値観、固定観念を破ることをパラダイムシフトと呼んでおるが、

 

実績という

 

アピールポイント強化のためには、

 

常識を打ち破るパラダイムシフトが

 

必要なのかもしれんぞ

 

「そうすると生徒はさらに学力を伸ばす機会を得ることができますし、もともとの塾生にも刺激になります。しかも合格実績も増やしていくことができますから、すべてにおいてWin-Winの関係ですね。冬期講習会の最後に行うテストに入塾テストの役割も担ってもらうことにすれば入塾させられる生徒なのかどうかの見極めもできますね!」

 

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