いよいよ2024年の夏期講習会が幕を開けた。
申し込んでいた一般生のおよそ半数が新設された清洲予備校に流れてしまったものの、残ってくれた一般生と塾生を合わせれば65名もの大人数。
オンライン部門も夏休み期間に参加するスポット生11名を加えた38名。
この夏対応すべき生徒数は100名を超えるのだ。
これはかつてない規模であり、全集中力を注入して指導する必要がある。
そして絶対に清洲予備校で過ごす夏休み以上のサービスを提供しなければいけない。
成功ためのヒントが昨年開催した夏期講習会のアンケートにあった。
顧客がサービスの提供を受けた後(つまり夏期講習会を受講した後)の率直なフィードバックがアンケートには記載されている。
辛辣な意見としては、「娘の勉強に向かう姿勢が夏休み前と変わらなかった」とか、「わかったふりで済ませているので締めくくりテストでも成績は伸びなかった」といったものが見られた。
わかりやすいレッスンを提供しても、勉強に向き合う意識を変えなければ家庭の満足は得られないことを示している。
一方で満足したという意見としては、「事前面談で勉強習慣についてのお話を受け、実践できたためやる気が上がった」、「自習室を利用して楽しく勉強できていたようだ」と子どもの成長を喜んでいるものもある。
成績がよくない、わからない単元がある、そういった理由で夏期講習会に参加する一般生が多いのだが、その点の問題解決だけでは顧客満足には到達できないということだ。
問題解決以上の何かが顧客を満足させ、感動させるには重要。
その何かとはなんだろうか?
おそらくそれは、
生徒や保護者が気づいていない可能性を
引き出すということだろう。
その結果大きな変化が起こる。
日ごろ仕事が忙しくて、なかなか我が子の勉強に取り組む様子まで目が届いていない保護者でも感じることのできる子どもの変化だ。
数学の方程式の立て方がわかった、といった小さな感動からでも変化は引き起こされるかもしれないが、劇的な変化となるにはもっと仕掛けが必要だろう。
それは事前面談時やレッスン時に講師が何を話すか、ではなく、生徒や保護者に何を話させることができるかだ。
教えることではなく、
自分で話していて気づくことで生まれる変化。
ティーチングというよりも、コーチングによって変わる意識。
それができれば例え100人の生徒がいようとも、1階と2階のフロアに分かれていようとも、この塾の夏期講習会に参加して良かったと親子で感じてもらえることができるはずだ。
顧問税理士の天海さんはよくコーチングの重要性や、傾聴の効果などについていろいろなことを話してくれていたので、具体的に何をすべきかイメージできている。
それを講師全員が共通目標としてしっかりと認識してくればおのずと夏期講習会のサービスの質は向上するだろう。
天海さんがオーストラリア出身の経営コンサルタントであるマイケル・バンゲイ・スタニエ氏の言葉を借り、
『コーチングは問題解決だけでなく、
最高の自分を向上させるものです』
と話していた。
生徒や保護者が自分自身では気づいていない問題や可能性・願望に、自分で気づいてもらえるような面談を行い、勉強がわかる楽しさも相まって、今後の目標や乗り越えなければいけない課題を生徒自身で見つけることのできる夏期講習会にしよう。
そうすればおのずと生徒は積極的にレッスンに参加し、自発的に質問にも来るし、やらされているのではなく自ら宿題に取り組むようにもなるはずだ。
このような変化が保護者が心底願う子どもの成長ではないだろうか。
2024年の夏、これが私の学習塾の最大の目標となった。