2025年1月下旬、中学受験まっただ中ではあるが、そこだけにかかりっきりになれないのが今の時期の難しいところ。
2月中旬には年間の内申点を決める重要な試験「学年末テスト」が各中学校で実施されるし、中学3年生は「私立高校の入試」がある。
さらに3月から開催する「春期講習会の募集活動」も並行して取り組んでいかなければならない。
猫の手も借りたいほどの忙しさではあるが、人員補充は厳しいのが現状だ。
大手進学塾「清洲予備校」が昨年夏に進出してきて講習会の売上が激減。
新年度スタートの塾生数も昨年比減になるのは避けられない。
学生アルバイト講師を増やすことは無理なので、今いるメンバーで耐え抜く必要がある。
幸運にもオンライン部門は好調を維持しているので、こちらの市場開拓で希望の光を見出したいところだ。
昨年夏頃から進めている新規プロジェクトとして、難関中学校の合格実績を伸ばすために現小学5年生を徹底的に鍛えている。
この子たちが受験をする来年度は、例年よりもアピールできる実績になるだろう。
ただし、オンライン部門は課題も多い。
中学部と高校部の生徒の数が少ない。
中学受験生以外の層ももっと集客したいのだが、正直こちらはアピールできる要素が弱い。
高校合格、大学合格の実績はまったくなく、行っているレッスン内容も学校の補習的なものでニーズは少ない。
学歴優秀で実績豊富な講師がオンライン部門には在籍しているのだが、そのアピールもあまりうまくできおらず、まさに宝の持ち腐れだ。
あまりにも多忙すぎて対策や展望としてじっくり考える時間もなく、今年もこの調子で進めていくことになりそうなのが苦しいところである。
私は一計がないものかと、顧問税理士の天海さんに電話で相談してみることにした。
何かにつれ的確なアドバイスをしてくれる頼もしい存在で、今年もたくさんお世話になるのは間違いない。
「オンライン部門の中学部も高校部も盛り上げる戦略が知りたいというわけじゃな」
「天海さんであれば何か凄いアイデアをお持ちではないかと思いまして!」
「ときにオンライン部門を見ていて何か気になることはないか?」
「気になることですか・・・・・・ 難関校の合格を目指してのレッスンというよりも、学校の授業内容がわからなくて質問しているような生徒が大半ですね」
「難関校合格を目指している生徒もおるのじゃろう?」
「それは、はい、いますね。ただ、予備校に在籍していて、そのカリキュラムの補習的な感じです」
「2つの層を比較してみてはっきりと違いはあるのか?」
「学校の補習を行っている生徒は数学も英語も半々ですが、予備校の補修を行っている生徒のほとんどが数学に偏っていますね。なにせ小学校の頃にすでに英検2級を取得しているような生徒ばかりですから、英語は得意で質問などないようです」
「英語のニーズはほとんどないということか。逆に数学強化が課題の生徒は成績上位者にも多いということじゃな」
「そうか、5科目指導よりも数学に特化した方がインパクトはあるのか。オンライン部門のアルバイト講師は数学の指導力も高いですからね。その点をアピールしていくと存在感を発揮できそうです。私も大いに活躍できますし!」
「びっくりするような戦略というよりも平凡なアイデアじゃがな。メアリーケイコスメティック社の創設者であるメアリー・ケイ・アッシュ氏は、
『熱意を生む平凡なアイデアは、
誰も刺激しない偉大なアイデアよりも先に進む』
と語っておる。
今ある武器を最大限に活かして
戦うようなシンプルな戦略が、
魅力的なサービスを
提供するための鍵になるじゃろう」