【このお話では、サラリーマンを続けていた40歳の松平はじめが、起業に挑戦し、税理士からアドバイスを受けて、成果を出すための大切な気づきをいろいろと得ていきます】
顧問税理士の天海さんの賛同も得、新たにオンライン授業も展開していくことに決めた私は、さっそく告知準備に取りかかった。
まずはなんといってもインターネット広告の充実だ。
「そういえば、この前、天海さんが気になることを言っていたな。今のホームページの効果はどうなのかか・・・・・・ 確かにその辺りの検証はまったくしてこなかったけど、実際、どうなんだろう」
設定はしていたものの、まったく確認していなかったGoogleアナリティクスで、自分の学習塾のホームページにアクセスした過去のユーザー数の経緯を表示してみた。
「え!? こんなに少ないの?」
軒並み1桁のユーザー数であることが発覚。続けてGoogle Search Consoleでホームページの検索パフォーマンスを確認。合計表示回数や合計クリック数が表示される。表示回数は5000回を超えているが、クリック数は190回ほどで、平均CTRは3.7%、平均掲載順位は41.9位だ。学習塾や個別指導などのクエリ(検索キーワード)では表示回数が多くても、クリック数はゼロ。要するに検索順位が低すぎて誰もクリックしてくれていないということだ。学習塾検索サイトからの流入でユーザーも数をなんとか確保できているような状態で、まったくインターネット広告の効果が出ていない状態である。
「そうか、天海さんはこれを危惧していたわけか」
こんな状態でオンライン授業の告知をしたところで、反響はまったく期待できないだろう。とにかくこの事態を伝えるため、天海さんの事務所に電話をした。
「学習塾は競合他社が多いから、検索上位に上がるのはなかなか難しい話じゃな」
「どうしていけばいいのでしょうか」
「SEO対策は必要じゃろう。内部リンクも充実させるなどサイトの質を向上してGoogleアルゴリズムに認めてもらえるように手を加えていくこと。ただし、SEO対策しても成果として現れるのは数ヶ月後から1年後になる。
素早いリアクションを期待するのなら、
リスティング広告じゃろう」
「Google広告に掲載を依頼するということですか。効果は期待できますかね」
「同じキーワードであれば入札額の高い企業が上位に検索されるからの、どのキーワードにするのかが大切じゃ。オンライン授業の市場が全国となれば、主要なキーワードについては月10万、20万円の広告費用でも足りなくなる」
「そんなにかかるんですか」
「リスティング広告で効果を高めるには、やはりターゲットを特定することじゃな。特に地域は大事な要素じゃ。●●市、学習塾や●●市、個別指導塾といったように、
地域を特定した方が
競合は少なく、
入札額も安く抑えることができるし、
さらに検索している側も興味を持ちやすい。
結果として広告効果の高いのはキーワードを絞った方じゃろうな。もちろん、リスティング広告はそこからホームページに誘導するのが目的じゃ。ホームページの質の向上が最終的に売上アップに繋がることになる」
データを確認しながらホームページを改善していくという重要な業務をすっかり忘れていた。これまでのデータも分析しつつ、どんな要素を加えていけばより質の高いホームページになるのかも研究してみよう。オンライン授業の告知をするのはそれからだ。
気づいていないだけでまだまだやらなければいけないことはあることに、今回の天海さんのアドバイスで改めて痛感した。やはり第三者からの視点とアドバイスは重要である。