※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
マモル「先輩お疲れ様です。遅くなってしまい申し訳ありません。クライアントとの話が予想以上に長くなってしまいまして」
ショウ「おお、お疲れさん。もう先に食べてるぞ。いやーこの店は初めてだったが、当たりだな。とても美味しい。特に魚料理は絶品だな」
マモル「じゃあ、僕も同じものを頼もうかな。しかし、先輩、GoToイートキャンペーンをフル活用していますね。ほぼ毎日のように夕食食べに出かけていませんか?」
ショウ「このGoToイートキャンペーンは、経済的にはとても助かる仕組みだよ。毎回の食事が安くなるからな。おかげで外食の機会が2倍に増えている状況だ」
マモル「ということは、全体的に考えると食費は増えているわけですか…… 政府の思惑通りに動いていますね」
ショウ「ここは多少食費がかかっても、日本の経済活性化に貢献しなくちゃな。美味しい料理を食べられるチャンスが増えたわけだからWin-Winの関係だ」
マモル「なるほど、お互いに納得できれば負担増でも問題ないわけですね。今日のクライアントは、どうすれば会社の無駄を省けるのかという点で悩んでいましたが、負担増に納得できていないということか」
ショウ「無駄を省くねー、よく聞くワードではあるな。売上が厳しい状態だと、支出は必要最低限にしたい。コロナ禍がもう少し収束してくれれば売上も回復していくだろうが、まだ時間はかかりそうだからな。現状をしのぐためには必要な意識だろう」
マモル「今回でリモートワークを取り入れるのに設備投資していますから、余計に無駄を省きたいという経営者の気持ちは強いですね」
ショウ「ということは設備投資した分の恩恵はまだ感じられていないということか。会議の時間はどのくらいの設定になっているんだ?」
マモル「会議ですか? そうですね。確か60分ほどの会議を毎日行っているようです。オンライン会議なので、リモートワークの従業員も参加できるようになっています。やはりリモートワークが多くなると、会議で共有すべきことも多々あり、もしかするともう少し時間をとっているかもしれませんね」
ショウ「そのあたりもうちょっと突っ込んでいいかもしれないぞ。会議自体が無駄な時間を生んでいる可能性もあるからな。会議の目的をもっと明確にして、事前にそういったアジェンダを共有しておけば会議の時間は短縮でき、その分を生産性の向上や接客に時間を費やすことができる」
マモル「そうですか、会議のルールを見直すだけでも無駄を省くことができるんだ。実際に先輩のクライアントでは効果は出ているんですか?」
ショウ「ああ。最初は戸惑うから余計に時間がかかったりもするが、一ヶ月もすれば慣れてくる。会議の時間は減ったのに、売上が上がったと驚いているクライアントが多いぞ。そういった成果が出て初めて、リモートワークを取り入れた甲斐があったと喜んでいたな。アメリカの作家で、白鯨の著者として有名なハーマン・メルヴィル氏の言葉にこういうものがある。
『不遇はナイフのようなものだ。
刃をつかめば手を切るが、
取っ手をつかめば役に立つ』
とね。今回のコロナ禍で経営のあり方を見直し、効果的なてこ入れができた会社も多い。こういった不遇も捉え方によっては、いい機会なのかもしれないぞ」
マモル「これは僕の会社自体にも当てはまる話ですね。僕の会社でももう一度社内ルールを見直して、改善できる点がないか確認してみます。意外なところに無駄を省くポイントがあるのかもしれません」