※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
ショウ「先日はごちそうさま。マモルの手作り料理には驚いたが、食べてみて、味も良かったのでさらに驚かされたよ。特にブルーチーズのハンバーグは絶品だった。節約のためだけの自炊ではなく、うまいものを食べるために料理の勉強もしていたとはな」
マモル「まだまだ勉強中なんですが、喜んでいただけて嬉しいです。実際に料理を作ってみたり、勉強してみると、食べているだけじゃ気づかなかったことがたくさんありますね。意外な組み合わせがおいしかったり、料理の手順で味が変わったり」
ショウ「なるほど。ビジネスシーンにも通用する話だよ。今回の杉山くんと望月も反目しあっていると足の引っ張り合いだが、ペアを組ませることで見事に成果を出しているからな。そういった柔軟な視点も仕事とは別の世界で養っているということか」
マモル「確かにそういった効果もありますね。僕の場合はどうしても仕事となると視野が狭くなってしまう傾向がありましたので、工夫できる点はたくさん学べています」
ショウ「経営者になっても、年齢や経験を重ねても、自分を成長させるために時間を費やすことができるのは重要なことだ。俺もマモルを見習わないとな。日々、会社の会議だ、部下からの報告だ、で自分を省みている時間が取れていないよ」
マモル「先輩の会社は組織も大きいし、従業員もたくさんいますから、当然の話だと思いますよ。僕が先輩の立場だったら1日24時間あっても足りないくらいです」
ショウ「そう考えると自動車会社フォード・モーターを設立したヘンリー・フォード氏は凄い向上心と勤勉さだな。彼は最先端のガソリンエンジンの開発や商品化だけではなく、天文についてや美術や芸術、さらには生物学まで学んでバイオ技術の研究まで行っている」
マモル「そうなんですか。自動車の研究だけに没頭していたわけじゃないんですね」
ショウ「なんといってもあのエジソン氏の愛弟子だからな。仕事に対する情熱もエジソン氏に匹敵するが、自分の取り組みを広い視野で見つめるために労力を惜しまない点もまさにエジソン氏譲りだよ。彼はこう述べている。
『年寄りは若いうちから貯金しろと言うが、
それは間違いだ。
自分に投資しなさい。
私など40歳になるまで
1ドルも貯めたことはないのですから』
とね。」
マモル「40歳まで1ドルの貯金もなかったんですか? それは凄いな。借金してでも会社や自分に投資を続けていたんですね。節約しつつ、そこから得られる余剰金を自己投資に回す。理想的なスタイルだな」
ショウ「彼がマモルのように節約家だったかはわからないが、常に向上心を持っていろいろなことに挑戦していたのは事実だろう。その点はマモルに共通するな。ひょっとしてマモルもフォード氏のように大成するかもしれないぞ」
マモル「まったく規模の違う話なのでイメージもできませんが、前向きに前進していくためにも自己投資は必要だと思います。国際社会もテクノロジーも日々飛躍的に進歩していますから、新しい世界もどんどん広がっていますし、そこに触れて刺激を受けたり、アイディアを生み出す機会にしていきたいですね。少しずつ時間を作って読書をしたり、セミナーに参加するつもりです。どこに大きなヒントがあるかわかりませんから」
ショウ「経営者がそういった意識だと、従業員へも良い影響力があるから相乗効果は抜群だな。まさにエジソン氏とフォード氏の関係だ。やはり無理してでもそういった時間を作っていく必要はあるか…… 今回はマモルから大事なことを学べたよ」