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名言集コラム90 「ヘンリー・ディヴィッド・ソロー氏に学ぶ・年老いた人」

※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。

 

今回のポイント
 熱意 

 

 

ショウ「それでマモルはどうすることにしたんだ。独立する橋本さんの穴埋めが必要なんだろう。先日の再就職面接にいたメンバーの中から選ぶんじゃないのか?」

 

マモル「もちろんそれは考えました。実績もスキルも申し分ない方たちばかりでしたから。しかし、一流企業だけあって給与の水準が高いんです。顧問税理士さんに相談してみたんですが、僕の会社に移ってきてもらっても、とても同じ額の給与は払えません。そうなると確実に来ていただいた方のモチベーションは下がるでしょう」

 

 

ショウ「人件費の問題か。報酬が今までより低いとなると確かにやる気にはならんだろうな。ただでさえ自ら動こうとせずに指示待ちが習慣化している連中だ。さらに輪をかけて動きは鈍くなるかもしれん」

 

マモル「コンサルタントの人手については、当分は起業する橋本さんにも外部委託できるので、そこまで切羽詰まった状態ではありません。橋本さんは顧客のニーズに応えて、正確な対応をしてくれますからね。だとすると、人件費はできるだけ抑えて、最大限の貢献をしてくれる人材に費やしたいと思っています」

 

ショウ「そんな都合のいい人材がいるか?そもそもマモルは何を期待しているんだ」

 

マモル「先日の再就職面接の後、先輩は何をしたいのか、何を目指しているのかはっきり口にできたのは大島さんだけだとお話されていましたよね。僕は肩書きや実績に感心していましたが、それを聞いて確かに何か物足りない感じを受けていたことに気づいたんです」

 

ショウ「物足りないか…… 温度差じゃないのか? マモルとあの連中じゃ決定的に違う点がある。今の仕事にしがみついて安定した生活を望んでいるのか、それともリスクを承知で独立し、もっと自分を活かした社会貢献をしようと絶えずチャレンジしているのかの違いだな。まあ、要するに連中には熱意が欠けているんだよ。年齢や経年数と熱意が反比例するとは俺も考えていないが」

 

マモル「これからの時代の変化に対応する力や自ら率先して能動的に動く力の源は、熱意だと思うんです。こんなことがしたい、社会にこんな貢献をしていきたい、そういった思いを強く持っている人に来てほしいですし、実績が乏しくてもスキルが未熟でもそういった人と一緒に仕事がしたいです」

 

ショウ「ずいぶんと極端な話だな。情熱だけあっても仕事がまともにできないんじゃ会社の信頼も急落していくぞ」

 

マモル「はい。ですから新卒を採用していこうと考えています」

 

 

ショウ「この時期にか? 新年度が始まる目前のこの時期に新卒の採用試験を行うのか?」

 

マモル「もちろん正式採用は2021年からです。それまでは時間のあるときにバイトに来てもらって少しずつ仕事を覚えてもらおうかと考えています。1年あればかなりの戦力に育つんじゃないでしょうか」

 

ショウ「1年バイトしたからって、到底橋本さんの穴は埋められないだろうがな。とりあえず、そこでマモルの理想に見合った情熱ある人材を見つけるわけか。確かにそれだと人件費はかなり節約できそうだ」

 

マモル「そうなんです」

 

ショウ「アメリカの作家で、奴隷制度にも反対していたヘンリー・ディヴィッド・ソロー氏は、熱意についてこう述べている。

 

熱意を失ってしまった人ほど、

 

年老いた人はいない

 

とね。先日の再就職面接で俺やマモルが感じたのはそれかもしれないな。ただし、若ければ情熱にあふれているとは限らないがな」

 

マモル「そうかもしれませんね。でもまずは今の若い人たちとたくさん話をしてみたいと思います」

 

ショウ「まさか、その人事関係の仕事もマモルがやるのか? 経営者だろ。そんな時間はないんじゃないのか」

 

マモル「はい。ですから今回はちょっと別の方法を試してみます」

 

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