※経営者として独立して間もないマモルが、先輩経営者ショウから成功に繋がるアドバイスを受けて成長していく物語です。
ショウ「遅れて申し訳ない。Zoomでオンライン会議をしていたから、てっきりそっちかと思ってIDとPWが届くのをずっと待っていたんだ。マモルとのオンライン飲み会はSkypeだったことを忘れていたよ」
マモル「お仕事が長引いているのかと思って、こちらからは連絡せずにお待ちしていました。利用しているオンラインツールが多いと勘違いしやすいですよね」
ショウ「ああ。なので、連絡がつくまでの待っている間は、バーボンを飲みながら、バイデン新大統領の就任演説を改めて聴いていたよ」
マモル「そこはスコッチじゃなくてやはりバーボンなんですね。僕はニュースで一部分しか聴いていませんが、アメリカ国民にはかなり好評だったとか。80%以上の国民がバイデン新大統領の就任演説は良かったと評価しているようです」
ショウ「直前には国会議事堂を巡って大変な事態に陥っていたからな、あれは民主主義の根底を揺るがす歴史的な大事件だ。就任演説は同じ場所からの発信ということもあり、より強いメッセージに感じられたよ」
マモル「しかし、最終的に無事に就任式が完了して良かったです。かなりの厳戒態勢が敷かれていましたから心配でした。世界中が固唾を飲んで見守っていたんじゃないでしょうか」
ショウ「アメリカはコロナ感染によって甚大な被害を受けている。それが今回の大統領選挙でさらに国が赤と青に分断されてしまった。バイデン新大統領に課せられた使命は、ここまでズタズタになったアメリカをどこまで再生させられるかだろう」
マモル「どこの国も大変な状態ではありますが、特にアメリカは大きな試練のときを迎えましたね。バイデン新大統領がここからどういったリーダーシップを発揮するのか、とても興味があります。経営やマネジメントの面も含め、いろいろと学ぶ点がありそうです」
ショウ「第16代アメリカ大統領のエイブラハム・リンカーン氏は、かつてこう述べている。
『君がつまずいてしまったことには興味はない。
そこから立ち上がることに感心があるのだ』
とね。南北戦争で国が分断された時代と、現代には共通する部分がある。バイデン新大統領もそのことを充分に承知していたから、就任演説でリンカーン氏の名前と、奴隷解放宣言に署名した際の覚悟について触れたのだろう。アメリカはそういった過去から再生してきた実績がある。その不屈の精神はアメリカのアイディンティティーでもあるはずだ。だからこそ必ず再生できる。どう立ち上がってくるのか、マモルの言うようにそこに注目だな」
マモル「バイデン新大統領は就任演説で、『結束』という言葉を強調していました。これは世界との結束でもあり、国民の結束でもありますが、これってニュージーランド首相であるジャシンダ・アーダーン氏の『私たちはチームだ』というメッセージと似ていますね。やはり、困難を乗り越えていくためには共感し合い、チーム一丸となって取り組んでいくことが最も重要だということなんじゃないでしょうか」
ショウ「そうだな。それは国単位でも、企業単位でも、組織であれば同じ事が当てはまるだろう。ポイントは、その結束のためにバイデン新大統領がどんなメッセージを伝え続け、どんな行動に移すかだ。インターネットが普及してくれたことで、俺たちもそれをタイムリーに知ることができるのはありがたいな」
マモル「アメリカ経済は世界経済の大きな柱だけに、日本経済に及ぼす影響も大きいです。ですから、経営者として、そしてひとりのビジネスパーソンとして、その動向も気になりますね」